「魁!海外馬券塾」(6日)
21年も日本馬は、
凱旋門賞制覇に手が届かなかった。敗因はいくつかあるだろうが、まとまった量の雨で悪化した馬場もその一つだ。19、20年に続き硬度計で4・0を超える非常に重い馬場での争いになった。
クロノジェネシスと
ディープボンドは日本では重馬場で実績のあった馬で、この2頭なら馬場が渋っても力を出せるという予想が多かったが現実は違った。一方で道悪巧者の印象はなかった
エントシャイデンがフォレ賞で3着に健闘したように、フランスの重馬場の巧拙は、走ってみないと分からないということになる。
ただ、今回のようにここまでの悪い馬場になった場合、日本馬の好走確率がかなり下がるのは間違いなさそうだ。厄介なことに、これほどの馬場悪化は10月のパリでは珍しくはなく、現に3年連続でそうなっている。
日本では経験できない重い斤量、密集した馬群、高低差のあるコース、良馬場なら恐ろしいほどの末脚を見せる欧州馬など、日本馬が
凱旋門賞のタイトルを獲得するには、いくつもの高い壁が待ち構える。それでも、これほど日本の競馬関係者もファンも恋い焦がれるレースなのだ。来年以降も愚直にその年の日本で一番の馬を送り続ける他はない。(海外遠征コーディネーター・田中敬太)
提供:デイリースポーツ