オールカマーは4着だった
レイパパレ。すごくやる気があったようですが、そういった彼女の“熱さ”が多少裏目に出てしまった印象もありました。これについて、高野師は振り返ります。
「道中、馬が一生懸命頑張って走ろうとする上で、少し力んでいる分、エネルギーを浪費しながら走っていました。走る気にも満ちていましたし、直線に向いて残り1ハロンくらいまでは歯を食いしばって頑張っている姿勢がみられました。結果は4着でしたが馬は頑張れているな、というところで、前哨戦としては一定の評価ができるし、馬を労っていいかな、と思っています」
この、気持ちが入ってしまうところが
レイパパレの長所でもあり、短所でもあるのです。
「(デビューから)ここまで連勝してきて、2200mで連敗していますから。距離への対応が課題だと認識しています」
距離への対応、という意味でもスタミナは重要です。しかし、牝馬にはよくみられる課題として馬体の維持があげられます。
レイパパレは特に体を維持することが大変でした。でも、幸いなことに、
大阪杯以降はかなり改善がみられています。追い切り後の馬体重は前走と同じ442キロでしたが、
「この数字が示すとおり、以前に比べて体の維持はやりやすくなっています」(高野師)とのことでした。
体が維持しやすくなったことで、以前よりも調教もしっかりやれますし、いい循環に入ってきた、と見受けられます。
「精神面の成長、肉体面の成長はあります。若い時は身体が軽くて動けた分、調教ではスパンと反応できていました。今は筋肉がついて体が大きくなった分、瞬時の瞬発力というよりはパワフルな感じになっていると思います」
今回は
レイパパレにとって初の牝馬限定戦重賞となります。力量的にはこれまでよりも楽に感じる相手関係になりますね。牝馬同士なら課題である距離の壁もよりこなしやすいのでは、と思います。
(取材・文:花岡貴子)