経緯は定かではないが、
マイルチャンピオンシップ(21日=阪神芝外1600メートル)で
川田将雅は
ダノンザキッドに騎乗予定。
グレナディアガーズは
池添謙一へと乗り替わる。
グレナディアガーズ同様、川田が普段の調教からコンタクトを取っていた
セリフォスは、先週の
デイリー杯2歳Sで
藤岡佑介へと乗り替わりながらも無傷の3連勝を決めた。このあたりは誰が乗っても教えてきたことをレースで発揮できるようにしてきた「チーム中内田」だからこそ。ならば
グレナディアガーズの乗り替わりもノープロブレム? いやいや、そう簡単な話ではないようだ。
「前走(
京成杯AH3着)にしても鞍上(川田)の仕掛けるタイミングはバッチリだった。ただ、テンションを上げないように調整していた分、鞍上が思っていたよりも、反応が遅かったようですね」(福永助手)
スピードが勝ち過ぎる面がある
グレナディアガーズは気持ちをうまくコントロールすることがとにかく難しい。前走はそこを気にするあまり、加減し過ぎたことが反応を鈍らせることになったようなのだ。
一方、川田の代役に白羽の矢が立った池添といえば、2002年
桜花賞(
アローキャリー)、2017年
桜花賞(
レーヌミノル)、2019年
マイルCS(
インディチャンプ)の3頭を初騎乗でGI勝利へと導いた、いわば“テン乗りのスペシャリスト”。瞬時にその馬の特徴を把握して能力を引き出す技術にたけた男だけに、陣営の指名には納得させられる。その池添は初コンタクトとなったウッド1週前追い切り(6ハロン82.2-11.3秒)に騎乗して早くも手応えをつかんだようだ。
「“追走して強めに追ってほしい”との指示。操作性が良くて、コントロールも利いていた。調教から動くタイプにしても、動き、反応ともに
トップレベル。メチャクチャいい馬を頼まれました」
オルフェーヴルはじめ、数々の超一流馬にまたがってきた男がここまで絶賛するのだから、
グレナディアガーズの潜在能力の高さは推して知るべしだろう。
「レースでは我慢できないところがあるみたいだけどね。能力が高いのは確認できたし、いいイメージを持てたので、このままレースを迎えられれば」と“一発回答”への自信を見せている。
これまで
マイルCSで歴代最多の4勝を挙げている池添(前出
インディチャンプ以外に、2003、2004年
デュランダル、2011年
エイシンアポロンで制覇)。野球界では「代打の神様」と言われた阪神の八木裕が有名だが、困ったときの「代打の池添」が川田の代役をきっちり果たせるのか、記者は大いに注目している。
(栗東の困った時の代打野郎・難波田忠雄)
東京スポーツ