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【兵庫ジュニアGP回顧】鞍上の好判断でセキフウ/斎藤修

  • 2021年11月26日(金) 18時00分
 人気上位の有力馬はそれぞれ見せ場をつくったが、結果的に人気を集めた中央のダート2勝馬2頭によるクビ差での決着となった。

 先行争いが落ち着いた1コーナーでセキフウは外目の3番手。スタートでタイミングが合わずやや後手を踏んだコンバスチョンは、セキフウを前に見る位置での追走となった。向正面でペースは一旦落ち着いたが、勝負どころ3コーナー手前で先に動いたコンバスチョンが3コーナー過ぎではセキフウを交わし、あとは前を行く2頭を交わすだけ。コンバスチョンが優勢に思えた。

 勝負の分かれ目は、4コーナーから直線を向いたところ。セキフウミルコ・デムーロ騎手は内を突いた。直線を向いて、前に脚色が鈍った先行2頭がいたが、セキフウは1頭分あるかないかというその2頭の間に進路をとり、こじ開けるようにして抜け出した。小回りコースの一瞬のコーナーワークでコンバスチョンより前に出たぶん、セキフウがクビ差先着してのゴールとなった。

 前の2頭がカベになって間を抜けられなければ、外を通ったコンバスチョンが勝っていたと思われ、あの狭いところを突いたのは、デムーロ騎手にとっては、勝つにはここしかないという“賭け”だったのではないか。セキフウの前走なでしこ賞は4コーナー9番手で外から一気の差し切りで、今回は小回りコースで狭い内を突いて接戦を制するという、デムーロ騎手の好判断、好騎乗は間違いないが、それにひるまず応えた馬の精神力も、キャリアの浅い2歳馬としてはたいしたもの。勝ち負けはそのわずかな差だっただけに、2着のコンバスチョンも能力的に差はない。

 積極的に2番手を追走したプライルードが3着。栄冠賞2着、イノセントカップ2着と、北海道ではあと少しのところで重賞タイトルに手が届かなかったが、キャリア4戦目で大井移籍初戦ということでは素質の高さを見せた。

 果敢に逃げたバウチェイサーもよく4着に粘った。この馬もデビューは北海道で、栄冠賞では13着、イノセントカップでは差のある7着と、プライルードとの比較でも目立った成績ではなかったが、兵庫転入初戦を大差で圧勝していた。もとより作戦だったのか、外目の枠でもハナを取りに行く笹田知宏騎手の積極的な騎乗が結果につながった。今後距離が延びてどうかだが、兵庫の3歳重賞戦線では楽しみな存在になりそう。

 逃げるのは内の3番枠に入ったエンリルと思われたが、バウチェイサーに一気に行かれ、その外に持ち出そうとしたところでプライルードに外からかぶされ内に閉じ込められてしまった。初めて砂をかぶる競馬は厳しかったのか5着まで。

 エーデルワイス賞2着のヒストリックノヴァは3番人気に支持されたものの、向正面でペースアップしたあたりでその流れに乗っていくことができず6着。それでも1、2着馬から1秒2差だから大きく負けたわけではない。

 中央2勝馬のワンツーという順当な決着だったが、ほか中央3頭は7着以下で、それらに先着した3〜6着の地方馬は、いずれも今後成長しての可能性を示した。

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