年末の風物詩となっている
グランプリレース。2021年の
有馬記念が26日の15時25分に発走する。今年はファン投票1・2位に支持された
エフフォーリアと
クロノジェネシスのほか、GI馬6頭が参戦。それ以外にもGI好走馬、重賞勝ち馬が多数揃う注目の一戦となった。ここでは、独自の「展開指数」を駆使し、その見事な筆致も好評な人気予想家・らん氏の展望をお届けする。
◆それぞれに持ち味が違う3歳世代
今年で66回を数える
有馬記念ですが、暮れの大一番に相応しい豪華メンバーとなりました。何といっても注目は、昨年の覇者でここが引退レースとなる
クロノジェネシスが春秋
グランプリ4連覇で有終の美を飾ることができるかという点でしょう。
さて、今年の
有馬記念攻略のポイントはやはり「3歳世代の見極め」でしょう。3歳馬4頭の出走は、昨年(2頭)、一昨年(3頭)を超える頭数で、より見極めが重要になってきます。
エフフォーリアの活躍に象徴されるように、今年の3歳世代はかなりレベルが高いと言われていますが、その流れの通りにここでも3歳勢が有利と見ています。
理由としてはまず、4頭それぞれに持ち味が違うタイプで、レースごとに着順が入れ替わっている点です。例えばクラシック3冠レースはすべて違う勝ち馬でしたが、距離だけでなく馬場や展開などの条件の違いにより問われる能力が大きく異なっていたと解釈しています。よってそれぞれのレースでより適性のある馬が先着しており、「
エフフォーリア以外は弱い」という構図は成り立たないと考えています。
次に、古馬有力馬が万全の状態で迎えられていない点です。
クロノジェネシスと
ディープボンドは
凱旋門賞に出走したことで、不慣れな海外輸送を経て短期間に再び状態を
ピークに持っていく必要があり、これは至難の業と思われます。実際に
クロノジェネシスの直前追い切り後の陣営のコメントもトーンが上がらず、最高の仕上がりとまでには至っていないようです。この他にも暮れのこの時期に斤量2キロのアドバンテージも大きく、今年に関しては3歳馬が有利と見ています。展開次第では、3歳馬のワンツー決着も十分に可能性があると思います。
その肝心の展開ですが、前走大逃げを打った
パンサラッサがここもハナを切るでしょう。単騎で飛ばす事になると思いますが、各馬深追いはせず、2番手以降のペースは落ち着くと見ています。そうなると中団より前で競馬できる馬に流れは向きそうです。
これらを踏まえて、3歳馬ではやはり
エフフォーリアが有力ですが、古馬の中では
パンサラッサに注目しています。前走大逃げでの4馬身差圧勝の内容が優秀な事と、スムーズな逃げが打てそうな2番枠からのスタートも追い風です。人気薄でもあり、他馬がけん制し合うようなら粘り込みも十分あり得ると思います。あとは各馬の状態や、枠順、展開による優劣を細かくチェックして、最終結論を出したいと思います。
(文=らん)