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【きさらぎ賞】エアアネモイ 重賞挑戦は大舞台での活躍の布石/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2022年02月04日(金) 18時01分
 兄姉に重賞勝ち馬のいる血統馬であれば自然と期待値は高まる。兄姉の活躍した姿を重ねて応援するのも競馬ファンの楽しみの一つでしょう。

 きさらぎ賞に出走するダンテスヴューの半兄ヨーホーレイクは昨年の当レース2着馬で、今年の日経新春杯では念願の重賞ウイナーの仲間入り。人気を集めるのは必然であり、父がディープインパクトからキングカメハメハに替わった弟が兄を超える走りを見せるのかが注目されます。

 もちろん兄が走ったからといって、その弟が絶対に活躍するという保証はありません。ただ、競走能力がそのまま遺伝していなくとも、普段のしぐさなどにはどこか似ているところがあるとの話はよく聞かれます。

 母が所属していた厩舎にその子が入厩したり、きょうだいたちが同じ厩舎で管理される、いわゆる“ゆかりの血統”と呼ばれる馬たち。兄姉たちの調整で培ったノウハウを生かし、時には比較してきょうだいたちに共通する部分を見つけ出し、時には違った部分を個性として引き出すことで最大限の能力を発揮できるように努める。厩舎サイドも競馬ファンと同じく、血統背景を参考にしてその馬の可能性を広げるべく日夜努力をしているわけです。

 そういった意味で注目したいのがエアアネモイ。外国産馬ながら兄弟4頭すべてが池添学厩舎の管理馬。重賞勝ちのあるエアアルマスを筆頭に、エアファンディタも現オープン、エアサージュは現3勝クラスで活躍。母ノカゼがいかに繁殖牝馬として優秀なのかが分かります。ただし、活躍の舞台がそれぞれ違うあたりがこの兄弟の面白いところ。そのあたりを池添学調教師に尋ねてみると…。

アルマスはいかにもマジェスティックウォリアー産駒というダートで走る馬となってきましたし、ファンディタはハットトリックが強く出た切れ味のあるタイプ。ポイントオブエントリーの子2頭(サージュアネモイ)は兄たちよりも馬格があって見栄えのする体つきなんですよね。お母さんは種牡馬のいいところをそのまま引き出すといった意味でも、すごく優秀だと思うんです。もしディープインパクトをつけていれば…。まるで生き写しの子が生まれていたかもしれませんよ」

 4世代にわたって兄弟を手掛けたことでつかんだそれぞれの個性と母の素晴らしさについて明快に説明してくれた。

 エアアネモイきさらぎ賞(6日、中京芝2000メートル)参戦へ向けての調整については「中間も順調ですし、今週の追い切りでもしまい重点でしっかりと動けていました。仕上がりに関しての心配はありません」。そして「全兄のエアサージュに似ているところもあって長い距離でゆったりと走らせていいタイプだと思いますし、馬場が荒れてきた点についても問題なくこなしてくれるとみています」と舞台設定にも不安を感じていません。あとは「新馬戦がスローペースだったので、重賞で流れが違ってくるところで、どういった競馬ができるかですね」と期待を寄せつつ、課題も示唆してくれました。

 初戦の勝ち時計は2分05秒6。時計的な裏付けのない中での重賞参戦。それでも無謀な挑戦とは思えないのは、兄たちそれぞれの活躍があればこそ。エアアネモイのこの挑戦は兄たちを超える大舞台での活躍の布石となるかもしれません。

(栗東のバーン野郎・石川吉行)

東京スポーツ

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