年明けに手塚調教師が「牧場でもすごく順調みたいだし、楽しみ」と語っていたのが、13日の
京都記念(阪神芝内2200メートル)に出走する
ユーバーレーベンだ。
昨年
オークスを制してからは脚元不安もあり、
秋華賞はぶっつけ。何とか間に合ったという状態で13着と大敗した。さすがに地力でカバーすることはできなかったが、次走の
ジャパンCでは脚元の不安もなくなり、追い切りメニューも順調にこなしていった。手塚師も「稽古を重ねるごとに動けるようになってきたし、だいぶ良くなっている」と手応えを感じ取り、実戦も0秒8差6着と善戦した。勝負どころで外から執拗にプレッシャーをかけられる形で、なかなか進路が開かず直線追い出すまでに時間がかかったが、内に切り替えてからの脚は見どころ十分だった。「勝ったとは言わないが、あの不利がなければ4着ぐらいにはこれていた」(手塚師)と復調の兆しはしっかり示した。
それだけに
ジャパンCのデキをさらに上回ってくるのかどうか、記者も注目していたが、帰厩後最初の追い切りでは楽な動きであっさり好時計をマーク。手塚師も確かな手応えを口にした。「脚元の不安がなくビシビシやれているし、馬がレベルアップして本格化してきた。デビューしてから一番いい状態」
担当の野島厩務員も「体に芯が入ってきて成長を感じるし、カイバもしっかり食べて状態はいいですね。以前はオンオフがしっかりしている分、調教では加減しているところもありましたが、今はいい意味でピリッとしている感じ。順調すぎて怖いぐらいです」。また、大村助手も「体に幅も出てきてたくましくなり(半兄マイネル)
ファンロンに似てきましたね。普段の運動でもピリッとしてきて、プライドが出てきた感じです」と成長に手応えを感じている。
3つ上の前出
マイネルファンロンは6歳で初重賞(
新潟記念)を勝ち、今年1月の
AJCCで2着に激走するなど、年齢を重ねるごとに強くなってきた。
ユーバーレーベンは
ゴールドシップ産駒。兄
マイネルファンロンは
ステイゴールドの産駒で、この兄妹は“ほとんど同血”。まだまだ伸びシロは十分だ。
「
オークスの時は距離やコースなど使いながら試行錯誤だったけど、それでも勝ってくれたし、あの時よりも状態はいい。阪神の内回り2200メートルがどうかというところはあるけど、今のデキなら対応できるでしょう。今年はすごく活躍してくれると思う」と手塚師。
見据える大目標
ドバイシーマクラシック(3月26日=メイダン競馬場・芝2410メートル)へ向け、女王が順調な船出を切ってくれるに違いない。
(美浦の手塚厩舎追跡野郎・松井中央)
東京スポーツ