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シャフリヤールが日本ダービー馬初の海外G1制覇!快挙に導いた指揮官・藤原英昭調教師とは

デイリースポーツ
  • 2022年03月28日(月) 18時33分
 ドバイワールドカップデー諸競走で、日本馬が1日5勝の快挙。その“トリ”を飾ったのがシーマクラシックのシャフリヤールでした。日本ダービー馬初となる海外G1制覇で、改めて日本馬の強さを世界に誇示。管理する藤原英昭調教師にとって、これまでは15年クイーンエリザベス2世C(ステファノス)、21年ドバイターフヴァンドギャルド)の2着が最高でしたが、待望の海外G1タイトルとなりました。

 師は常々、「馬は生き物やから」と口にします。生き物ゆえ、計画通りに行くことの方が難しい。体調の微妙な変化、天候や環境にも気を配り、常に最悪のケースを頭に入れて先に手を打ちます。その姿は、かつて芸能・社会担当時代に取材した、将棋の羽生善治9段の思考に似ていると感じます。何手も先を読み、枝葉のように広がる数々の可能性から最善手を考える。判断は楽観的ではなく、常にシビアです。

 我々にも、甘い顔ばかり見せる方ではありません。中央競馬担当になった11年前でした。読者に馬券に直結する情報を届けたいという思いで、調教パターンに変化があった馬を見つけては、理由を取材に行きました。当初は「だから何や」、「そんなこと聞いてどうするんや」と厳しかったです。今思えば本当の意味で調整の難しさ、1勝の重みを知らなかった私を鍛えてくれていたのでしょう。

 指揮官の厳しさには心がありました。工夫を重ね、何度も取材を試みるうちに、いろいろと教えてもらえるように。こちらの質問に、「何でか分かるか?今回が勝負やからや」と返ってきた時の勝率はかなり高かったです。師への取材は、記者の私にとっても“勝負”でした。

 1月から中央競馬担当デスクとなり、昨年末、師に現場を離れることを報告に行きました。「あとで厩舎に来い。着いたら電話くれ」と言われ、調教終わりで厩舎に向かいました。餞別(せんべつ)とともに、「今までよう頑張ったな。立場は変わるかもしれんけど、これからも競馬のこと頼むぞ」と熱いメッセージももらいました。苦しい時は頂いたものを見て、師の言葉を思い出し、力をもらっています。

 厳しくても、そこに心があるから優秀な人や馬が集まる。精鋭ぞろいの藤原厩舎を見ていてそう感じます。指揮官は今回の遠征でも相当なシミュレーションを繰り返したはず。昨年のヴァンドギャルドの経験や、過去の海外遠征での問題点をあぶり出し、事前に打てる手は全て打ったと思います。レース後、「馬も騎手もパーフェクト」とたたえていましたが、師の力もあってこその勝利でしょう。胸が熱くなるレースを見せてくれて、心から感謝しています。本当にありがとうございました。(デイリースポーツ・大西修平)

提供:デイリースポーツ

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