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【皐月賞】ジャスティンロックは直行ではなく弥生賞経由 吉岡調教師「経験しないと成長できませんから」/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2022年04月13日(水) 17時56分
 2歳王者決定戦のひとつ、ホープフルSへのステップレースに位置づけられるのが京都2歳S。距離的に春のクラシックに直結する重要なレースであることは言うまでもなく、過去の上位入線馬を見渡してもエピファネイアタイムフライヤーワールドプレミアなど活躍馬は枚挙にいとまがない。今年も1、2着馬が皐月賞(17日=中山芝内2000メートル)のゲートにたどり着きそうで、その期待感は高まるばかりだ。

 一方でクラシックの頂までの道のりはなかなか険しく、皐月賞を勝利した例は2009年京都2歳Sの勝ち馬ヴィクトワールピサまでさかのぼらなければならない。今年、13年ぶりの快挙に挑むのがジャスティンロックとなるわけだ。

「実は厩舎としては自信があったんですよ。結構やれるんじゃないかと」

 京都2歳Sをそう振り返るのが開業3年目にしてクラシック、いやGIに初めて歩を進める吉岡調教師だ。要は期待通りの勝利を収めたわけだが、トレーナーはその勝ち方にも目を細めている。

「3コーナーでは5頭分くらい外を回らされたのに、そこから勝ち切るのはなかなかできないですよ。あの時点で皐月賞を目標に据えて、すべてそこから逆算して組み立ててきました。それくらい将来を期待したくなる勝ちっぷりだったってことです。しかも戦ったメンバーもその後に活躍している馬が多く、レースレベルそのものも低くはなかったですからね」

 まだ緩さが抜けていなかった2歳時には無理をさせたくなかった。だからこそ「ホープフルSはオーナーに了承を得て回避し、皐月賞一本に目標を絞りました」と吉岡調教師。そして明け3歳初戦に弥生賞ディープインパクト記念を選択したことについては「レースを経験しないと成長もできませんから。本番前に中山への輸送も経験させたかったし、11月からの間隔を考えればベストのタイミングだと思って」。

 本番への直行策が常識になりつつある昨今のクラシック戦線だが、馬の状態を気遣いながら、効果的に実戦を使って成長を促す。これこそがやはり王道なのではないか。

 現にジャスティンロックは2歳時からトモの緩さがなかなか解消されなかったため、これまでは坂路調教では目立つ時計が出ていなかったのだが、1週前追い切りでは馬なりで4ハロン51.7-12.5秒の好時計をマークするなど、ここにきて目覚ましい成長を遂げている。そう、すべてはトレーナーのもくろみ通りに事が運んでいるのだ。

「競馬を使った後にひと息入れたことで、また馬は良くなっていますね。最後に脚を伸ばす馬なので、舞台を問わずにいい競馬ができます。前半スローになって、2コーナーまで多少力んだ弥生賞でも0秒2差(4着)。あの内容からすると、もう少しペースが流れてくれれば、際どい勝負ができそうですね」

 冷静にレースの見通しを語る吉岡調教師の初のGI挑戦がクラシック制覇の快挙となっても、記者的には驚きはない。

(鈴木邦宏)

東京スポーツ

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