「NHKマイルC・G1」(8日、東京)
以前、
レイパパレを取り上げた際に、高野師からロマンあふれる話を聞かせてもらった。“蠣”崎牧場生産の“
オイスター”チケットから繋いだ牝系の血は“シェル”ズレイを経て
レイパパレへ-。血統表には、競馬関係者の熱い思いがぎっしりと詰まっている。
今回、取り上げる
タイセイディバインもまた然り。高野師は「マツクニさん(松田国英元調教師)のもとで働かせていただいた身として、ゆかりある血統の馬をやらせていただけるのはありがたい」と感謝を口にしていた。
祖
母ロンドンブリッジは98年
桜花賞2着馬。高野師との関わりは次世代からで、初子の
ダイワエルシエーロが松田国英厩舎在籍時に04年
オークスをV。エルシエーロの半妹にあたる
母ダイワスピリットにも携わっており、「2勝止まりでしたが、いい馬でした」と懐かしそうに振り返る。
ダイワスピリットの5番子に当たるディバインは「血統的には
キセキとほぼ同配合。(母父の)ディープが
ダンスインザダークに変わったぐらい」で、デビューからしばらく中距離を使われていたが、こちらは祖母の血が色濃く出た様子。思い切った距離短縮で開花してきた。
血統表を指さしながら、師はこう解説する。「母とは全然似ていません(笑)。僕的にはルーラーの父キンカメによく似ていると思っています。ガッチリとした
シルエットで、生き写しのよう。父系から来る馬体の良さと、底力のある母系がうまく
ミックスしてくれました」。“マツクニさん”は01年
クロフネ、04年
キングカメハメハ、10年
ダノンシャンティで3勝。ゆかりの血統で勝利できれば、師匠への最高の恩返しとなりそうだ。(デイリースポーツ・松浦孝司)
提供:デイリースポーツ