「
函館スプリントS・G3」(12日、函館)
桜花賞3着馬
ナムラクレアが、早々に参戦を表明した。今時期の3歳牝馬は斤量50キロで出走できるメリットが大きい。最近では、16年に
ソルヴェイグ-
シュウジが3歳馬ワンツー。17年
ジューヌエコール(1着)、19年
アスターペガサス(2着)らも、軽量を生かして好成績を収めた。
ただ、その好条件を生かし切れなかったのが、3歳の21年9着に敗れた
シゲルピンクルビーだ。渡辺師が「内でどん詰まり。全く力を出せませんでした」と振り返るように、ゴール前は馬なりのまま終了。2年目の泉谷にとっては苦い経験となったが、スムーズに運べていれば恐らくV争いに加わっていた。
汚名返上とばかりに、ピンクルビーが今年も参戦してきた。開催地が札幌→函館に戻り、斤量は50キロ→54キロに変わるが、指揮官は「前走の鞍馬Sが強い勝ちっぷり。今はすごく充実しています」と状態面に太鼓判。リベンジへの思いは強い。
血統に関しては、
サドラーズウェルズ4×3という意外なクロスが特徴的。スタミナが売りの種牡馬だけに、長距離で活躍する
アリストテレス(4×4)あたりはしっくりと来るのだが、短距離専門のピンクルビーにこのクロスがあるとは…。
この配合に、渡辺師は「ノドの関係もあって短距離に使っていますが、ここにきて体がムキムキになってきたし、父の影響が大きいと思います。
モーリス産駒は父似の馬がよく走っていますよね。クロスをりょうがするのかもしれません」と話していた。確かに、母系は違うが、
ピクシーナイトや
ジャックドール、
ルークズネストなど、活躍馬の風貌は父によく似ている。日本競馬の礎を築いた社台とメジロの歴史を伝える種牡馬
モーリス。そのDNAは
マイウェイを貫いているようだ。(デイリースポーツ・松浦孝司)
提供:デイリースポーツ