「
七夕賞・G3」(10日、福島)
真夏のみちのくで“カッチー
スマイル”が全開だ。6番人気の
エヒトが早めに抜け出して快勝、重賞初制覇を決めた。鞍上の田中勝は19年
函館記念(
マイスタイル)以来の重賞勝ち。2馬身半差の2着は1番人気の
ヒートオンビート、3着は2番人気の
アンティシペイトが入った。
最後は
エヒトの独壇場だった。抜群の手応えで直線に入ると、残り200メートル手前で早々と先頭に躍り出る。田中勝は「ちょっと早いかなと思ったけど、馬任せで行きました」と会心の騎乗を振り返る。後続に2馬身半差をつけて、悠々と重賞初Vのゴールに飛び込んだ。
流れに乗った。大外枠から好スタートを切ると道中は6番手。前半1000メートル通過が58秒5のハイペースにも全く動じなかった。「流れが速いのは分かっていたけど、3コーナーから馬なりで上がってくれた。今までで一番いいスタートを切れて、手応えも抜群でした」。3歳時の20年11月以来となる3度目のコンビで、見事に勝利をエスコートした。
51歳になった田中勝にとって、3年ぶりの重賞V。お立ち台での優勝インタビューでは開口一番、「久しぶりだな、これ。うれしいっス」と日焼けした顔に笑みがはじけた。「状態がいいと聞いていたので。馬を信じて良かったですね」とニッコリ。「徐々に良くなって力を付けてきていますね。まだ、緩いところがある馬なので、もう一段階パワーアップしてくれれば」と今後のさらなる成長に期待を込めた。
この日の福島には約1万3000人のファンが来場。コ
ロナ禍による入場規制も徐々に緩和され、表彰式では大きな拍手が送られた。笑顔が似合うヒーローは「福島もいろいろとありましたが、競馬を楽しんでもらえるよう、これからも頑張ります」と声援に力強く応えた。
提供:デイリースポーツ