「函館2歳S・G3」(16日、函館)
緑と黒の勝負服でおなじみの“クリノ”を担当する持ち乗り助手が、競馬新聞を開きながら声を掛けてきた。「この馬、引っかけ問題やろ?」。指差した馬柱には
クリノゴッホという2歳の名が。栗本オーナーの
マツリダゴッホ産駒-。何の疑いもなくそう思ったが、彼は「よく見てみ。この馬、栗原さんって人の馬やねん」と得意げな顔で笑っていた。
以前、内田玄祥氏が
メイショウフェイクという馬を所有していて驚いたが(
父メイショウサムソン、馬名の由来は父名の一部+似せていること)、ルール上は問題ないのでしょう。そして今回、紹介する
オマツリオトコ。勝手に
マツリダゴッホか
キタサンブラック産駒かと思っていたが、まさかの
ヴィットリオドーロ産駒であった。
察するに、
オマツリオトコの馬名は、祖
母サウンドカーニバル〜
母マツリバヤシがその由来だろう。この一族からは
アドマイヤモナークや
ハギノリアルキングといったステイヤーを輩出しているが、同馬の場合は母の父がダート重賞5勝馬
スマートボーイ。どうやらスタミナに勝る砂適性が色濃く出た印象だ。
父
ヴィットリオドーロは米国で人気を博したメダグ
リアドーロを父に持ち、母は日本でダート重賞8勝を挙げた
プリエミネンス。つまり、
オマツリオトコは父の
母プリエミネンス×母の
父スマートボーイという、グランド牧場の結晶である。
配合的にはバリバリのダート馬。だが、
プリエミネンスは99年の当レース(当時は函館3歳S)で5着に好走しており、その1つ上の半姉
スタートマーチも98年札幌3歳S(現2歳S)で2着。早期から活躍できる血筋であり、決して芝が駄目とは言い切れない。まして、函館はパワーを要する洋芝だ。初戦で見せたパワフルな走りを見ると、芝の重賞でも期待したくなる。(デイリースポーツ・松浦孝司)
提供:デイリースポーツ