夏の小倉開催開幕週に行われた
CBC賞は新人女性ジョッキーの
今村聖奈が重賞初騎乗初V。3歳牝馬
テイエムスパーダとのフレッシュコンビの活躍に記者も大いに元気をもらった。
一方で今年上半期を振り返ると、ベテランの活躍も目についた。
JRA史上初の50代でのダービー優勝ジョッキーとなった
武豊はもちろん、11歳
オジュウチョウサンが
中山グランドジャンプを制したのも記憶に新しい。
障害だけではない。平地でも年始の
中山金杯を
レッドガランが制したのを皮切りに7歳馬が奮闘。
スワーヴアラミス(
東海S)、
アフリカンゴールド(
京都記念)、
ダイアトニック(
阪急杯)、
ジャンダルム(
オーシャンS)、
オメガパフューム(
アンタレスS)、
レッドガラン(
新潟大賞典)と
ワグネリアン世代のベテランたちが“まだまだ若いもんには負けん”とばかりに重賞勝ちを決めた。
調べてみると86年以降で7歳以上の馬が上半期に重賞11勝(障害含む)を挙げたのは過去最多。年齢を重ねても第一線で活躍できることを示してくれた馬の頑張り、そして牧場、厩舎関係者などの努力と研さんには本当に頭が下がる。
「ファンの方からも“元気をもらいました”って声をいただいている。中年の星になれるよう頑張るよ」とは
アフリカンゴールドで
京都記念を制した西園正調教師。下半期もベテラン勢がファンにパワーを与える走りを見せてくれるに違いない。
さて、そんな“おっさんずラブ”記者が
函館記念(17日=芝2000メートル)でひそかに激走を期待しているのが藤原厩舎の7歳馬
ギベオン。前走の
宝塚記念では10着に敗れたが、「強いメンバー相手にもズルズルと下がらず、最後までしぶとく脚を使えていた」と田代助手は収穫ありを強調する。
もちろん、年齢以上に馬は若々しい。「まだまだ活気があるし、
宝塚記念での走りを見ても大崩れはないと思う。小回り自体もプラスに出そう」と初の函館参戦にも前向き。補足すれば
ディープインパクト産駒には珍しく少しでも上がりがかかったほうがいいタイプ。洋芝もまた歓迎だろう。
昨春の
金鯱賞で
デアリングタクト、
ポタジェなどの強豪を撃破し、単勝227.3倍の超大穴をあけたのがこの
ギベオン。上半期に存在感を発揮した同期たちの活躍に負けじと、今夏の北の大地でも大暴れするところを見せてほしい。
(栗東のおっさんずラブ野郎・西谷哲生)
東京スポーツ