「札幌２歳Ｓ・Ｇ３」（９月３日、札幌）

　目下２年連続でクラシックホースを輩出している登竜門。アスクメークシェアが初タイトルに向けて意気揚々だ。２週前の北九州記念を制した全姉ボンボヤージら兄姉は短距離路線で活躍してきたが、こちらはゆったりとしたフットワークが特徴。引き続き札幌芝千八で、初戦以上のパフォーマンスを見せつけるか。

　新馬戦で高い競馬センスを見せつけたアスクメークシェア。好位のインから直線で密集がバラけたところを一気に伸び、先に抜け出しを図る２着馬を、キッチリ頭差とらえるという文句のない内容だった。

　「１、２回使った馬ならともかく、初戦でああいうレースができるとは驚いた」とは担当の田中博助手。直前の追い切りは最後の反応がもうひとつだっただけに、あの走りができたのはうれしい誤算だという。「内で詰まりながらスペースがあいた瞬間、割って出た。後脚もまだ緩いし、ポテンシャルがなければできないと思ったね」と評価する。短距離路線で活躍した全兄ファンタジスト、全姉ボンボヤージとは違い、ゆったりした距離でのデビュー。「跳びは大きいし、リズム感とかも短距離のキャンターではない。兄姉はウチの厩舎ではないから先入観はないし、乗った感覚で千八くらいがいいかと」と説明した。

　新馬戦後はいったん函館に戻り、先々週に再び札幌へ。ここまで順調に調整されている。「新馬戦が余裕残しの感じだったから、１度使って体は締まってきたし、上積みはある」と同助手。走る血筋は間違いなし。その一方で、兄姉にはない個性を武器に、重賞タイトルをつかみ取りたいところだ。

提供：デイリースポーツ