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【オールカマー】3冠牝馬デアリングタクト 1年以上の休養から完全復活目前! 杉山晴調教師は手応えあり/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2022年09月21日(水) 20時27分
 当方の高校の6学年先輩にヤクルトで活躍した元プロ野球選手の伊藤智仁氏がいる。小学校から白球を追いかけていた当方にとって憧れの存在。

 伊藤智投手の代名詞でもあった「高速スライダー」をマスターしようと思ったが、まったく曲がらず、モノにならなかった思い出が…。

 1993年の入団1年目に7勝、防御率0.91で新人王を獲得したものの、シーズン途中に右肘の靱帯を損傷して戦線離脱。当時監督だった野村克也氏が「投球過多が原因」と自身の起用法を当人に謝罪したとか。

 その後に「カムバック賞」を受賞する活躍も見せたが、やはり1年目のインパクトが強烈過ぎただけに、ケガがなければ…と悔やまれる。

 一昨年に牝馬3冠を無敗のまま達成したデアリングタクトは昨年、競走馬にとって致命傷ともなりかねない右前肢繋靱帯炎を発症して1年以上の休養を余儀なくされたが…。今春のヴィクトリアマイルでは道中で馬場の悪い内を回りながらも0秒5差6着と見せ場をつくり、続く宝塚記念でも中団追走からジワジワと差を詰めて0秒6差3着。「秋には完全復活があるのではないか?」と思わせるに十分な走りを見せてくれた。

「復帰2戦はまだ調教から気負いが見られました。強い負荷をかけていくと、しんどい部分もあったのか、カイバを残したりもして…。それでいてあれだけの走りができたのだから、やっぱりすごい馬です」

 担当の池水助手は決して万全ではなかった春2戦で改めてデアリングタクトの底知れぬ能力を感じると同時に、この中間は全盛時の輝きを取り戻しつつあると肌で感じている。

「春はまだハミにモタれて走っていて体が起きてこなかったんです。夏場は近郊の牧場でうまく調整してもらって、体を起こして走るフォームが戻り、バランスも良くなりました。体を大きく使って春とは走り方からして違ってきましたね。今のデキで宝塚記念に臨めていれば…」

 一方、管理する杉山晴調教師も「毛ヅヤ、馬体の張りがすごく良くなっています。1週前の時計、動きとも良かったですし、騎乗した松山騎手も好感触。今回は54キロで出走できるので、いい競馬を」と完全復活への手応えを感じている。

 となれば気になるのは今後のローテーション。トレーナーとしては牝馬同士の11.13エリザベス女王杯で確実にタイトルをものにしたい考えもあるようだが…。

 仮にこのオールカマー(25日=中山芝外2200メートル)でデアリングタクト完全復活となれば、2年前にアーモンドアイコントレイルと激闘を繰り広げた、あのレースとなる気運も高まってくるのでは。

 そう、現役最強馬を決する11.27ジャパンCこそ、デアリングタクト「カムバック賞」にふさわしい舞台と思っているのは、少なくとも当方だけではないはずだ。

(栗東の大胆戦略野郎・難波田忠雄)

東京スポーツ

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