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【凱旋門賞】タイトルホルダー生産 岡田氏独白「いつも想像を超えていく」、目指すべき“先”も見据え

スポニチ
  • 2022年09月28日(水) 07時30分
 ◇G1ウイーク「時の人」

 いつも想像を超えていく――。G1新企画「時の人」で、凱旋門賞に出走するタイトルホルダー(牡4=栗田)の生産者にスポット。岡田スタツド代表の岡田牧雄氏(70)だ。岡田氏ですらタイトルホルダーの成長力、勝負強さには舌を巻く。「実は行くつもりはなかった」と切り出した岡田氏は、凱旋門賞の“先”を見据えている。

 実のところ最初は凱旋門賞に行くつもりはありませんでした。(栗田)調教師が春から「行きたい」と言っていましたが、自分としては秋は天皇賞・秋ジャパンC有馬記念のどれかを勝てればいい…と。

 熱心な調教師に「宝塚記念を勝ったらいいよ」と話したら、凄いレコードで勝って…。正直、驚きました。強力な同型のパンサラッサがいたし、実は…エフフォーリアには勝てないと思っていた(笑い)。

 「勝ったらいいよ」と言った手前、挑戦するしかない。振り返れば、3歳の時も皐月賞(2着)も、ダービー(6着)も使うつもりはなかったのに、弥生賞を勝って行くしかなかったんです(笑い)。本当に潜在的なポテンシャルが高い馬で、こちらの想像を超えていきますね。

 以前によく“ピッチ走法”と言われてましたが、そんなはずはない、と。昔から併せ馬でも負けたことがなく、気がせいて行こう行こうとする。結果的に彼自身の走りへのイメージとフットワークがかみ合ってなかった。牧場でもそれを改善しようと取り組んで、大きく変わったのが日経賞(1着)の後ですね。天皇賞・春宝塚記念でようやくこの馬の本当の走りをできている気がします。

 凱旋門賞に行くにあたって「直行」は私自身が出した条件。過去を振り返ると、日本馬が前哨戦で目いっぱい走り、本番で力を出せなかったケースが多い。狙いは余力を持ってレースに臨むこと。その意味で、ドウデュースが追い切り代わりにニエル賞を使ったのは、さすが武(豊)君も陣営も勉強しているんだなと感心しました。明らかに軽い調教しかしていなかったし、状態を上げながらコースに慣れさせたのはさすがです。

 私たちは「1年遅れで成長させる」という狙いで馬に携わっています。今の段階で20キロ近く体重が増えているのも成長分だと思う。レースはとにかく自分のペースを守って、焦るような走りにならなければ。フットワークが完成していない若駒時代は折り合いを付けるのが上手なベテラン騎手にお願いしたりしたけど、今の走りなら馬を動かすことにたけた横山和ジョッキーが合っている。

 私も一競馬ファン。根底には「挑戦すればファンが喜ぶ」というのがあります。アーモンドアイコントレイルがいたジャパンCに、状態はいまひとつだったデアリングタクトを送り出したのも「夢の大一番」を実現させたかったから。だから今回のバーイード回避は残念。世界一のメンバーで戦うタイトルホルダーが見たいですからね。

 最後に、個人的な思いを明かせば、タイトルホルダーではなくとも日本の4頭のいずれかが勝って、日本馬の凱旋門賞挑戦の歴史に終わりが来ればいいとも思っています。欧州と日本の競馬は本質的に別物。日本競馬が目指すべき競馬はスピード色の強いアメリカ競馬でしょう。凱旋門賞を日本馬が制した後は「アメリカ制圧に行こうよ」と言いたいですね。(談)

 ◇岡田 牧雄(おかだ・まきお)1952年(昭27)5月14日生まれ、北海道出身の70歳。父・蔚男(しげお)氏から引き継いだ競走馬生産の岡田スタツド、種牡馬事業のレックススタッドの代表を務める。生産者としてマツリダゴッホスマートファルコンサウンドトゥルータイトルホルダーなどを生産。ビッグレッドファームの創設者で「マイネル軍団総帥」として知られた繁幸氏(故人)は実兄。

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