「
スプリンターズS・G1」(10月2日、中山)
CBC賞を1分5秒8の驚がくタイムで制覇。"JRAレコードホルダー"の
テイエムスパーダが、ス
プリント頂上決戦でも自慢のスピードで強敵に立ち向かう。夏場を休みなくコンスタントに使われているものの、1週前には栗東坂路で自己最速をマーク。今まさに成長期を迎えた3歳牝馬が、今度は"最速女王"の称号をつかみ取る。
快速牝馬が頂点を狙う。芝千二のJRAレコードを保持する
テイエムスパーダが、大舞台でもそのスピードを遺憾なく発揮する。
重賞連勝を狙った
北九州記念は直線失速して7着。良発表でも、レース直前まで稍重だったことで自慢のスピードを生かせず、五十嵐師は「馬場も流れも合わなかった」と振り返った。ただ、重賞初Vを飾った
CBC賞が圧巻の逃走劇。開幕週+斤量48キロと有利だったのは確かだが、1分5秒8という驚きのタイムでラ
イバルを寄せ付けなかった。
再び逃げるのか-。
指揮官は「(
CBC賞の)あの時計は出そうと思って出せるものじゃない。今回は枠次第。誰も行かなければ行くし、行く馬がいるなら競り合わなくていい。道中を馬なりで。引っ張ったりは避けたい」と作戦に言及。初の中山には「坂のある阪神で勝っているので」と不安なしを強調した。
1週前追い切りでは、栗東坂路で4F50秒5の自己最速をマークし、好調ぶりをアピール。トレーナーは「ビッシリとやった。これだけやれるのは状態がいいってこと」と胸を張る。火曜は同4F66秒0と軽めの調整で汗を流し、予定通りに仕上げは進んでいる。
コンビを組む国分恭は09年に五十嵐厩舎所属でデビュー。「恭介には思っていることが伝わりやすい。
CBC賞は48キロで乗れなかったけど、ハンデ発表までは"50キロなら体を絞って乗ります"って言ってくれた。期待している馬なんだろうね」。フリーになった今でも、師弟の絆は深い。
「年間で重賞を3つも勝つなんて初めて。神の力が動いているんじゃないかって感じるよ」と笑った指揮官は、来年2月末に定年を迎える。残す時間はあとわずか。師弟の夢を背負った日本最速馬は、簡単には止まらない。
提供:デイリースポーツ