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凱旋門賞・G1(10月2日、パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)=9月29日
JRAの通年騎手免許試験のため来日した
ミカエル・ミシェル騎手(27)が、母国フランスで行われる第101回
凱旋門賞(10月2日・パリロンシャン競馬場)での期待馬に、
武豊騎手(53)騎乗の
ドウデュースを指名した。日本馬4頭全て「強い」と語るなか、今年制した
日本ダービーの「直線でピューっと一気に伸びた」内容が攻略に「向いている」と評価。29日には枠順抽選会が行われ、
ドウデュースは20頭立ての3番ゲートに決まった。
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日本のみなさん、こんにちは。夢だった28日の
JRA騎手免許試験のために、また愛する国に来られて、とってもうれしかった。ずっと日本の競馬はチェックしていました。もちろん、
凱旋門賞に挑戦する日本の4頭もよく知っています。
どの馬も強いですね。
ステイフーリッシュは世界中でビッグレース(21年米ブ
リーダーズCディスタフ=
マルシュロレーヌなど)を制した矢作調教師が育ててきたのは大きなアドバンテージだし、
タイトルホルダーは
天皇賞・春、
宝塚記念と大きなレースを立て続けに勝っています。
なかでも、期待するのは、
ドウデュース。ダービーの時の、ユタカさんの騎乗は、とってもクールでした。後方待機から、直線ではピューっと一気に伸びてきた。ユタカさんは、ああいうレースが得意ですよね。
走りはパワフルで、スピードがある。これは、アップダウンが激しいパリロンシャン競馬場を攻略するのに向いています。道中は好位で力をためて、いざという時にスパートできますから。それに前走のニエル賞(4着)での経験も生かせます。
初めての場所、怖いでしょ。それは馬も同じ。この先何が待ち受けているか分からないのに、いきなり先頭に立つのはストレスになります。私はそういう時、自分の馬を他馬の後につけて視界を遮ることがあります。そのほうが、馬にストレスを与えないと思っています。
だから、毎年後方からの馬が、いい結果を出していますよね。
海外勢で一番は、ルクセンブルク(アイルランド=愛国)。
愛チャンピオンS・G1では、フランスダービー馬のヴァデニ、パリ大賞を勝った
オネストが出ていましたが、この強敵を制して勝っています。フランスの権威あるG1レースを制したことからも分かるように、2頭ともとても強い馬なんです。
凱旋門賞は、世界中のホースマンのあこがれの舞台。みんな、この時を待っています。(取材・構成=志賀 浩子)
◆聖奈&菜七子にエール ミシェル騎手は日本競馬について「
今村聖奈騎手などが活躍していますね。世界的にも女性騎手は少ないし、日本から強い女性騎手が出てくれるとうれしいです」と注目している。昨年落馬事故で大けがを負った経験から、2度の左鎖骨骨折から復帰した
藤田菜七子騎手にも関心を寄せる。自身は医師によるメンタル面のケアを受けたとし、「彼女もポジティプな気持ちで、さらに活躍してほしいです」とエールを送った。
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ミカエル・ミシェル 1995年7月15日、フランス・
イエール生まれ。27歳。2018年冬にフランスで女性騎手初の開催リーディング獲得。19年8月に札幌競馬場で行われた
ワールドオールスタージョッキーズで初来日。
JRA初勝利を挙げるなど総合3位タイ。20年には地方の南関東で短期免許を取得して、地方通算267戦30勝。22年5月から米国を拠点にしている。158センチ、48キロ。
スポーツ報知