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【菊花賞】トライアル勝ち馬2頭で挑む杉山晴調教師、「人生の中でターニングポイントになっている」菊のタイトル

スポーツ報知
  • 2022年10月17日(月) 12時09分
◆第83回菊花賞・G1(10月23日、阪神・芝3000メートル)

 クラシック3冠の最終関門、第83回菊花賞・G1は23日、阪神競馬場で行われる。3歳馬にとっては過酷な3000メートルの戦いに、菊花賞トライアル(TR)の勝ち馬2頭、ガイアフォースジャスティンパレスで挑むのが杉山晴紀調教師(40)=栗東=だ。トレーナーの人生に少なからず影響を与えてきたという菊のタイトル。「勝つチャンスがある」と闘志を燃やす。(構成・山本 武志)

 わずか6日で“菊の主役”となった。杉山晴調教師は、9月19日にガイアフォースセントライト記念を勝つと、同25日に神戸新聞杯ジャスティンパレスでV。ガイアフォースは7月・小倉のレコード圧勝で2勝目を挙げた後、格上挑戦で春の実績馬たちを倒した“上がり馬”だ。

 「もともと、ポテンシャルの高い馬でした。強い相手に真っ向勝負をしてかわした。改めて強いなと思いました」

 一方、春2冠はともに9着だったジャスティンパレス。その秋初戦が神戸新聞杯での3馬身半差の圧勝劇だった。

 「春は単刀直入に言うと力不足でしたね。夏を越して、一点だけ大きく変わったのが気性面。何かを乗り越えたような落ち着きが出ましたね。(神戸新聞杯は)思った以上に強かった」

 杉山晴師のホースマン人生にとって、菊花賞は切っても切り離せないタイトルだ。

 「中学3年の時(1996年)にダンスインザダーク菊花賞を見て、この世界に入りたいなと思ったので、原点じゃないですかね。競馬っていいな、すごく面白いな、と思ったんです」

 武宏厩舎の助手だった2009年にはダンスインザダーク産駒スリーロールスの調整を任され、TRを使わずに自己条件(野分特別)からの臨戦を進言。菊花賞馬へ導いた成功体験がトレーナーとしての今につながっている。

 「春に1勝クラスを勝った時から菊花賞を目指したいと思っていました。(自己条件の選択は)そうでないと、菊花賞で120%の力を出せないと判断したから。(野分特別を勝って)それなりの競馬ができるだろうなという自信みたいなものはありました」

 今年は、春2冠の連対馬が登録馬に不在という65年ぶり2度目の戦国菊花賞日本ダービードウデュース凱旋門賞に出走し、皐月賞ジオグリフは、春2冠がいずれも2着のイクイノックスとともに天皇賞・秋に矛先を向けた。菊花賞の立ち位置が変わりつつある中、2頭出しを決断した。

 「(馬への)負担が大きいレースだとは思います。でもG1ですから、勝てるチャンスがあれば行くべきなんじゃないかな、と。今回の2頭はあまりひっかかる馬ではなく、血統背景からもこなす下地はあります。ここを避ける大きな理由があまりない。現状でこの2頭が勝つチャンスがあるというレースが菊花賞ということです」

 菊花賞TRが2レース制になった00年以降、同一厩舎の同年両TR制覇は初の快挙でもあった。最高の形で弾みをつけ、愛馬を送り出す。

 「何らかのタイミングで菊花賞が出てきているなとは思います。競馬の世界に入るきっかけになったダンスインザダークの時もそうですし、調教師になろうというきっかけをつくってくれたのもスリーロールス。僕の人生の中でターニングポイントになっているのかな、と。後から思うことですけどね。トライアルをどちらも勝たせてもらって、臨めるのは調教師冥利に尽きますし、ありがたいと思っています」

 ◆同一厩舎による菊花賞TRダブル制覇

 杉山晴厩舎以外では、森厩舎=栗東=が1995年にサンデーウェル(セントライト記念)、タニノクリエイト(神戸新聞杯)で達成。ただし、当時は京都新聞杯を含めた菊花賞TR3レース制で実施されていた。

 ◆杉山 晴紀(すぎやま・はるき)1981年12月24日、神奈川県生まれ。40歳。2004年7月から武宏厩舎、高橋康厩舎で助手をつとめ、16年10月に厩舎を開業。18年の目黒記念(ウインテンダネス)で重賞初制覇。同年のJBCクラシックでG1初制覇。ここまでデアリングタクトの無敗での牝馬3冠を始め、G1・4勝を含む重賞12勝を挙げる。

スポーツ報知

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