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【菊花賞】粘着力フェーングロッテンと長距離砲ボルドグフーシュで宮本厩舎“大願成就”だ/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2022年10月21日(金) 18時01分
 その順番こそ異なれど、先週の秋華賞では春のオークス1〜3着馬が再び上位を独占した。中でもスタニングローズナミュールの管理馬2頭を送り込み、見事にワンツーフィニッシュを決めた高野厩舎の仕上げの確かさというか、厩舎力には本当に驚かされる。

 そもそも管理馬を頂点のGIにたどり着かせること自体が簡単なことではないし、まして複数頭出走させるとなれば…。ところが、今週の菊花賞(23日=阪神芝内3000メートル)には複数頭登録している厩舎が佐々木、杉山晴、辻野、宮本と4厩舎もいるのがまた驚き。

 もしかすると同一厩舎のワンツーフィニッシュが秋のトレンドとなるのか? 個人的には担当の宮本厩舎にその可能性を感じずにはいられない。

 先週13日の栗東ウッド。宮本厩舎は菊花賞登録の2頭フェーングロッテンボルドグフーシュによる豪華併せ馬を敢行した。2馬身追走したボルドグフーシュがゴール前で馬体を併せにかかり、そこからもう一段ギアを上げたフェーングロッテンがクビほど前に残す、見応え十分の“名勝負”を展開。

 見守った宮本調教師も「迫力ある併せ馬だったね。ボルドグフーシュが先着するかなって思ったけど、さすがはフェーングロッテンも重賞勝ち馬。悔いのない追い切りができました」と目を細めるほどだった。

 フェーングロッテンには未勝利勝ち後に2戦続けて2桁着順の大敗を喫する低迷期があった。軌道に乗る契機となったのはブリンカー。1勝クラス・大寒桜賞3着→リステッド・白百合S1着と大きくステップアップし、ラジオNIKKEI賞での重賞初制覇へとつなげてみせた。

 低迷期から一転、攻勢に出た軌跡を宮本調教師は「馬にやる気が感じられない時期もあったんだけど…。ブリンカーを着用するようになったことで解消され、前向きさが出た。特に白百合Sのしぶとい走りは見ているこちらのほうがびっくりするくらいだったよ」と振り返る。

 初めて古馬を相手にした前走の新潟記念でも、その“粘着力”を存分に発揮。4角で後続にのみ込まれそうになりながらも、3着に残った一戦を「菊花賞につながるレース内容。心身ともに成長が著しいね」とトレーナーも高く評価している。

 一方、ボルドグフーシュには現状、重賞タイトルはないものの、神戸新聞杯ウイークの当欄でも触れた通り、もともとが晩成タイプ。そして距離適性的にも早くから菊花賞を大目標にしていた馬でもある。

「そうはいってもダービーには出たかったけどね」とはトレーナーだが、京都新聞杯3着後の2勝クラス・一宮特別(1着)→放牧→神戸新聞杯(3着)を経て大一番に向かうローテは「私の青写真通り。ここまではスムーズにレールに乗ってくれました」。

 さらには「神戸新聞杯は結果的に届かなかったけど、ジョッキーが使える脚を測っていたところもあったよね。とにかく長距離適性はナンバーワンだと思っているよ」と手応えを隠さない。

 意外なことに宮本厩舎は開業19年目となる現在までGIタイトルとは無縁。果たして宮本調教師の長年の夢は結実するのか。いや、GIを勝つだけでなく、今週もまたワンツーってドラマチックな展開が待ち受けているのではなかろうか。

(元広告営業マン野郎・鈴木邦宏)

東京スポーツ

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