◇鈴木康弘「達眼」馬体診断
心を映すのが目なら、馬体の成長を映し出すのはキ甲(首と背中の間の膨らみ)。ダービー以来5カ月ぶりにチェックした
イクイノックスは中学生から一足飛びに大学生になったような急成長を遂げていました。「しばらく見ないうちに、随分大きくなって…」。孫に再会した祖父母のような心境です(実は今、初孫が私の自宅に来ています)。
皐月賞からダービーにかけて成長が見られなかったキ甲が盛り上がっている。キ甲の発達に伴って、首差しが一層良く抜け、肩の筋肉も厚みを増した。キ甲〜首〜肩は連動しているのです。トモの筋肉には鍛える余地がありますが、3歳夏を越しての成長が一目瞭然の馬体です。
立ち姿もどっしりと安定してきた。腱が浮き出た丈夫な四肢で大地をつかんでいます。毛ヅヤも抜群。青鹿毛の被毛がダービー時よりも黒光りしています。体調も申し分ない。それでも、満点をつけるのは次走以降のお楽しみにしておきます。加減せずに調教を積める丈夫な脚の持ち主。鍛えればもっと進化する。大学を卒業して社会人になる孫を見守るように、その成長ぶりを楽しみに待ちたい。
スポニチ