ダート競馬の祭典・JBCは3日、8年ぶりの開催となった盛岡と門別で行われ、
JBCクラシックは昨年の
JRA最優秀ダートホース・
テーオーケインズが差し切って1番人気に応えた。
JBCレディスクラシックは3番人気の
ヴァレーデラルナが重賞初制覇、
JBCスプリントは3番人気の
ダンシングプリンスが逃げ切り勝ちを収めた。門別の
JBC2歳優駿は9番人気の伏兵
ゴライコウが4角先頭から力強く押し切った。また、23年に大井、門別両競馬場で行われるJBCの開催日が11月3日に決定した。
JBCの借りはJBCで返した。苦汁をなめた金沢から1年。
テーオーケインズが昨年は応えられなかった1番人気に見事に応えた。悔しさを晴らしたのは鞍上の松山も同じ。普段はクールな鞍上が何度も
ガッツポーズで喜びを表現した。松山は「道中で押し上げた時に今日は大丈夫だなと思っていた。
地方競馬ということで自分から動いて差し切ってくれた。強い競馬でしたね」と相棒を褒め称えた。
直後でマークされたのが
メイショウハリオ。前走・
帝王賞(4着)は同じ形でやられていたが、この日は力強い走りで同期のラ
イバルをジリジリと引き離す。たっぷりと水分を含んだ盛岡の砂。前残り決着だったレディス、ス
プリント同様、逃げる
クラウンプライドは余力あり。しかし、外から迫るケインズの末脚はまさに別格。一気に2馬身半突き放し、王者は粘り込みを許さなかった。松山は「前走を使った後はリフレッシュして非常に良い状態で帰ってきた。向正面でペースが落ち着くのが嫌だったので3番手まで押し上げた。馬がしっかり反応してくれた」と満足そうに振り返った。
高柳大師は「外々を回ったので、この馬場だし差し届かないかなと思った。最後までハラハラでした」と正直な気持ちを吐露。展開が向いたとはいえない中での快勝劇。昨年の
帝王賞で3馬身、
チャンピオンズCで6馬身差Vの能力を改めて証明した。
この次の目標は当然、連覇が懸かる
チャンピオンズC(12月4日、中京)だ。同師は「今回は仕上げ切ったという感じではありませんでした。次はもっと良くなる」と次戦でのさらなる良化を予言。昨年より上の
ステップで大目標へ。この冬はダート界のエースとして走り抜ける。
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テーオーケインズ 父シニスターミニスター 母マキシムカフェ(母の
父マンハッタンカフェ)牡5歳 栗東・
高柳大輔厩舎 馬主・小笹公也氏 生産者・北海道日高町のヤナガワ牧場 戦績19戦10勝(地方5戦2勝、海外1戦0勝) 総獲得賞金4億9569万7000円。
スポニチ