みやこSは勝負どころから追い通しだった。外を回し、残り200メートル。先頭に立った
サンライズホープは大跳びかつパワフルなフットワークで、迫る
ハギノアレグリアス、
オメガパフュームをねじ伏せた。今年重賞初Vを決めた幸は「予定通りと言いたいところですが…」とニヤリと切り出し、「スタートを出てトモ(後肢)を滑らせたことで後方からになりました」と、想定外のレースになったことを明かした。
昨秋の
シリウスS・G3を勝ってから、前に行って集中力が切れるレースが続いていた。「能力はすごく高い馬。どこかでこんな競馬をしたいとずっと思っていました」と相棒への信頼は揺らいでいなかった。思わぬスタートに加え、外めの枠で、もまれず気分よく運べたことも事実。「砂をかぶった時にどうなるか。今回と同じ競馬ができるとは限りません。枠順もカギに」と手放しでは喜べないが、2つ目の重賞を手に入れてみせた。
すべてダートで、
JRA重賞10勝目を決めた羽月調教師はスタートが悪かった時点で「『あーあ』と思いました」と第一声。G1馬や強い3歳馬相手のハイレベルなG3を単勝90・7倍で制し、「意外すぎる内容で、まだ頭の整理ができていません。力があるところは再確認できましたし、今後についてはこれから」とあっけにとられたような表情を見せた。新境地を開拓した5歳馬が、再び頂点を目指して歩みを進める。(玉木 宏征)
スポーツ報知