GI競走の合間に設けられた別定重量のGIII戦。頻繁に条件変更がされているので、過去の傾向と照合しにくい面もあるが、大阪杯や秋華賞でも使用される阪神競馬場の内回り2000mコースに求められるものは瞬発力というよりも器用さ。立ち回りの上手さとロングスパートに耐えられる心肺能力だ。

　◎ヒンドゥタイムズは一昨年の3着馬で、大阪城Sの優勝馬。脚部不安などもあって今年の春シーズンは棒に振ってしまったが、その間に去勢手術を施され小倉記念で復帰。勝ち馬に離されたとはいえ2着を確保し、前走の京都大賞典では中団追走から外を回りながらポジションを押し上げ、最後の直線では先頭に立とうかというシーンもあった。最後は後のジャパンカップ優勝馬に屈したが、悪い内容ではなかった。阪神競馬場芝2000mは【2-1-1-0】と得意とするコース。重賞初制覇を期待したい。

　〇ソーヴァリアントは昨年の優勝馬。連覇を狙う。ここまで大きく崩れたのはレース中に心房細動を発症した前走のオールカマーのみ。その昨年は、圧倒的な1番人気に応えるように2着馬に3馬身半差をつける圧勝だった。能力は疑いようがないのだが、アクシデント明けだけにやや評価を下げた。

　▲ビーアストニッシドはスプリングS優勝馬。3歳三冠は壁に跳ね返された格好になったが、今回と同距離同コースで行われた京都2歳Sは2着で、シンザン記念4着、共同通信杯3着。母、祖母ともに不出走だが、祖母の半兄にブルーコンコルドがいる血統で、早熟というよりも微妙に距離が長かった印象だ。巻き返しに期待したい。

　△ブラヴァスは新潟記念の優勝馬で、一昨年の当レース2着馬。七夕賞の2着というのもある。この秋はケフェウスS4着、そしてオクトーバーS4着と一時のスランプからは脱してきたような印象だ。七夕賞勝ちの△エヒト、素質がありそうな△レッドベルオーブ、実力馬△サンレイポケットらも大きな差はない印象だ。