元JRA騎手の佐藤哲三氏のアドバイスを基にステップアップを目指す若手騎手たちがいます。佐賀競馬の金山昇馬騎手と加茂飛翔騎手。彼らはJRA・地方競馬の若手騎手による戦い・ヤングジョッキーズシリーズで約4カ月にわたるトライアルラウンド(TR)を勝ち抜き、今月に行われるファイナルラウンドへ進出を決めました。

　今年、移転開設50周年を迎え、独自のおもてなし「うまてなし」を行う佐賀競馬からは昨年、飛田愛斗騎手が総合優勝。彼らもそれに続くべく、ファイナルへ向けて対談で意気込みを語りました。

(取材・構成：大恵陽子)

◆JRAは地下馬道がすごいぞ！◆

──デビュー4年目の金山昇馬騎手、2年目の加茂飛翔騎手、お二人ともファイナル進出おめでとうございます。

金山　ありがとうございます。TR名古屋では悔いの残るレースをしてしまいましたが、TR笠松はファイナルに行くためのポイント計算もしっかりとして、理想の競馬はできたんじゃないかなと思います。

加茂　僕はTR笠松で騎乗はなかったですけど、下位の騎手がポイントを加算して逆転される可能性が急に出てきて、心臓をバクバクさせながら見ていました。結果的にファイナルに行けてよかったです。ファイナルが行われる名古屋競馬場にはTRの時に「加茂ジャンパー」を忘れて帰ってしまったので、ファイナルで取りに行きたいと思っていました。

金山　鴨のイラストが描かれたやつだ(笑)。

──あ、“カモ”つながり！ファイナルは名古屋競馬場と中京競馬場で行われますが、それぞれのイメージは？

加茂　名古屋は佐賀以上に内ラチ沿いを空けて走るというのを映像で見て知っていたんですけど、TR名古屋に行った時、「え、こんなに外を走るの？」と驚きました。

金山　佐賀もいまは内が重たい馬場ですけど、普段は3〜4頭分を空ける程度ですもんね。僕は名古屋は相性がいい印象ですけど、中京は左回りの点がどうか、です。デビューしてからレースで左回りは乗ったことがありません。調教で乗った感じでは違和感はないんですけど、未知の世界です。

加茂　僕も地方競馬教養センター卒業以来の左回りで、中京は直線に坂もありますよね。JRAのレース映像は見るようにしています。

金山　JRAの競馬場は地下馬道とか施設がすごいぞ！ 2年前のファイナルで阪神競馬場で乗った時、素晴らしくてビックリしました。でも、レースでは芝1600mで仕掛け所を間違えて大外をぶん回してしまって……。直線を向いた時に「あれ？ ゴール板はどこ??」と焦りました。馬に申し訳ないことをしてしまいました。その二の舞とならないよう、今年はいい騎乗ができたらいいなと思います。

──普段騎乗する佐賀とはコースの大きさが全く違いますもんね。でも、佐賀には公式YouTubeにも出演されている佐藤哲三元騎手が強力アドバイザーとしていらっしゃるじゃないですか。

金山　ファイナルの直前にYouTube番組で指導していただく機会を用意してくださっているみたいなので、色々と教わりたいと思います。

加茂　僕は4コーナーで後ろを振り向く癖があって、今も焦るとやってしまうんですけど、以前それを哲三さんに教えていただいてから意識するようにして徐々に改善してきました。去年優勝した飛田愛斗先輩や、ファイナル出場経験のある出水拓人先輩にもアドバイスをいただいたのですが、哲三さんにはまた違ったアドバイスをいただけることを楽しみにしています。

金山　ファイナルに向けて、今から近くの神社へお参りに行かない？

加茂　行きます！ ファイナルでいい騎乗ができますように。

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　佐賀競馬所属騎手が2年連続でYJS総合優勝なるか、注目のファイナルは12月16日名古屋競馬場、17日中京競馬場で行われます。

　また、佐賀競馬では4日に重賞・ウインターチャンピオンが行われます。佐賀オータムスプリントを勝ったスパーダ、同レースで大接戦を演じたタガノキトピロ、快足馬ロトヴィグラスなどが出走予定です。

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