◆阪神JF追い切り(12月7日、栗東トレセン)
第74回
阪神ジュベナイルフィリーズ・G1(11日、阪神)は7日、東西トレセンで追い切りが行われた。
リバティアイランドは栗東・CWコースの併せ馬で追走先着。余力十分に自己ベストをマークした仕上がりを水納愛美記者が「見た」。
2歳牝馬とは思えない。
リバティアイランドの最終追い切りは、堂々たるたたずまいが光った。直線半ばからの伸び脚は、何度でも見たくなる。首を押されるたびに、「ぐいっ」と音が聞こえそうなフォームで、躍動感たっぷりに駆け抜けた。道中は内から
アラジンバローズ(5歳オープン)を追いかけた、淡々としたリズムに見えた。にもかかわらず、いつの間にか1馬身ほど前に出ている。鞍上の手綱はまだ動いていない。自身の脚力だけで、自然と追い抜いた。
2馬身追走で半馬身先着したが、まだ余力がありそう。あまり時計は出していないのかと考えたが、6ハロン82秒0―11秒5で自己ベストを1秒8も更新していたのだから言うことはない。中内田調教師も「しっかり時計を出してくれた。先週より良かった」と満足そうにうなずいていた。
2着に敗れた
アルテミスSは、もったいないレースだと感じていた。道中は左右と前に他馬がいる位置。勝った
ラヴェルが直線でスムーズだったのに対し、約2頭分外に出す必要があった。しかし指揮官は、G1を見据えた戦い方を学ばせていた。「今回多頭数になるので、経験を積ませたかった。我慢が利いていたし、ここに向けていい経験ができた」。もったいないどころか、大きな収穫を得た敗戦と言える。
新潟での新馬戦で、
JRA史上最速タイの上がり3ハロン31秒4をマーク。中内田師も「びっくりしました」と振り返るほどの、強烈な爆発力だった。初めての阪神には「うまく対応してくれれば」と控えめだが、外回りの芝マイルは末脚の発揮には最高の舞台だろう。2歳女王をかけた一戦。デビュー戦以上の衝撃を与えてもおかしくない(水納 愛美)
スポーツ報知