大目標の
桜花賞から逆算して、
札幌2歳Sから
阪神ジュベナイルフィリーズ(11日=阪神芝外1600メートル)への直行ローテーションを選択した
ドゥーラ。この2歳女王決定戦までの3か月間は馬体の成長を促すだけでなく、初のトレセンでの調整に適応するための時間でもあったと高橋康調教師は振り返る。
「警戒心の強いところがある馬で、こちら(栗東)に来た当初はあまりカイ食いが良くありませんでした。でも、その時期を乗り越えてからは食べ方からして変わって、馬がグッと良くなってきたんです」
前走から約20キロは増えているという馬体はしっかり食べて、しっかり稽古をしてのもの。「カイ食いが悪ければ普段の調教も加減しないといけないけど、そうではないですから。食べたものがちゃんと実になっている感じがしますね」とトレーナーも納得の状態で決戦に送り出す。
そうなれば残る課題は舞台替わり。ここまで3戦すべて小回り札幌1800メートルを走ってきた。果たして初めての距離&ワンターンとなる阪神外回り1600メートルの適性は? その答えも予想以上に
ポジティブなものだ。
「体が大きくなるにつれて、背中の使い方が良くなり、それに伴って跳びもより大きなものに。
札幌2歳Sの時はそこまで跳びが大きくなかったので小回りもこなせたけど、今は広いコースが合うと思います」
もちろん、タッグを組む斎藤の見解もトレーナーと同じ。「前走からひと回り大きくなって、体つきが大人びてきました。その分、外回りのマイルはいいと思います」と人馬初のGI制覇に腕をぶしている。
「どの位置からでも
リラックスして走れて、確実に脚を使えるのがいいところ。緩さがある中で(重賞の)前走を勝ち切ってくれましたし、まだまだこれからの可能性を感じています」
3週連続で追い切りにまたがり感触を確かめた鞍上の言葉の節々に、期待の高さがにじみ出ていた。
ぶっつけ参戦も、初の阪神マイルも不安なし。
ソダシ、
ジオグリフと2年連続で後のクラシックホースを出している「出世レース」
札幌2歳Sを制した素質馬
ドゥーラの周囲には、まさに2歳女王への戴冠ムードが漂いまくっている。
(栗東の馼王野郎・西谷哲生)
東京スポーツ