スマートフォン版へ

【有馬記念】“昨年の無双王者”エフフォーリア大復活へ2つの策/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2022年12月21日(水) 18時01分
「まだ…いや、まだまだの状態ですね」

 日本ダービーこそシャフリヤールの鬼脚に屈したものの、皐月賞天皇賞・秋、そして有馬記念とGI・3勝の華々しい成績を収めて昨年の年度代表馬に輝いたエフフォーリア。今年は歴史的名馬への道をまい進するのかと思いきや、今年初戦の大阪杯で9着、続く宝塚記念で6着と続けて1番人気を裏切る結果に…。

 その上、体調がなかなか上がらず、天皇賞・秋からの復帰予定がこの有馬記念(25日=中山芝内2500メートル)へとずれ込んだとなれば「エフフォーリアは終わった」と冷ややかな声が聞こえてくるのも致し方ないことなのか? 2週前追い切りを終えた7日、そんな雑音をシャットアウトするどころか、冒頭のセリフを口にしたのが厩舎の番頭格・水出大介助手であった。

 もはや暮れのグランプリでの大復活劇というシナリオは実現不可能…。半ば諦めに近い心境で14日の1週前追い切りを見守った当方であったが、3頭併せの真ん中から力強いフットワークで伸びてきた姿には正直、驚きを禁じ得なかった。

 実のところ、この日にマークした南ウッド5ハロン67.4-52.6-37.6-11.4秒の時計は、2週前の67.8-51.7-36.7-11.4秒と数字的に大きな差はない。しかし、中身は結構、違う。重めに映った2週前と比べて脚さばきは素軽さを増し、前進気勢も旺盛に。そして水出助手も「良くはなってきています。“まだまだ”ではなく、“まだ”になりましたね」と引き続き辛口ながらも、エフフォーリアの確実なる上昇に安堵の表情を見せていたのだ。

 むろん、陣営はただ指をくわえて自然回復を待っていたわけではなく、人為的に“2つの改良”を施していた。

「デビューから調教は往々にして朝一番でしたが、この中間はなるべく遅い時間に行うようにしています。ほら、今朝(14日)だって(午前7時と10時では気温が)8度も違うでしょ。汗の出る量はかなり違ってくるはず。それとプール調教も取り入れました。脚元に負担をかけることなく、いつも以上にトレーニング量を高めています」(水出助手)

 厩舎スタッフは競走生活の岐路に立たされたエフフォーリアと今、極限ともいえる密度の濃い時間を過ごしている。もちろん、それは指揮官も同様だ。

「中間は元気があり余っている感じで走っている。やっぱり、そうじゃないとレースでも走れないよな。夏場を全休したかいあって、今はウイークポイントの爪の不安がなく、だからしっかりと負荷をかけられる。結果が出せていない後でもファン投票2位に支持されたのは本当にありがたいこと。ぜひとも恥ずかしくない競馬をさせたい」(鹿戸調教師)

 さらに1週間がたち、いよいよ大一番まで数日に迫ってきた。果たしてエフフォーリアは“まだ”の状態から脱して、昨年V時のデキを取り戻しているのか。すなわち、大一番の劇的な変身=復権の連覇があるのか、ないのかは、21日の最終追い切りに「その答え」があると思っている。

(美浦の見極め野郎・虎石晃)

東京スポーツ

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す