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【若駒S】音無厩舎の期待馬セレンディピティ クラシックへ生き残りかけた大一番/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2023年01月18日(水) 18時01分
 年度代表馬イクイノックスを出したキタサンブラックと並んで昨年、大活躍を見せた種牡馬といえばドゥラメンテタイトルホルダー(天皇賞・春宝塚記念)、スターズオンアース(桜花賞オークス)、リバティアイランド(阪神JF)、ドゥラエレーデ(ホープフルS)と産駒4頭がJRA・GI計6勝を挙げ、2歳部門では絶対王者ディープインパクトに代わって、初のリーディングサイアーに輝いた。

 その偉大な父の血を受け継ぐ良血が、出世レースのリステッド・若駒S(21日=中京芝2000メートル)に登場する。音無厩舎の期待馬セレンディピティだ。母系もまたフサイチコンコルドアンライバルドなどを出したバレークイーンにさかのぼる良血で、母ジェラシーオークス4着と活躍。担当する蛭田助手も「体が柔らかいし、バネもあるしで、とにかくセンスがいい。こういうタイプは故障をしにくいんだ。トータルですごくバランスのいい馬ですね」と評価する。

 前走のホープフルSでは8着に敗れたが、勝ち馬との差はわずか0秒5。「スローで頭数も多かったですからね。輸送して、ひと晩泊まったりということも含めて、いい経験ができたと思います」と蛭田助手にもまったく悲観の色はない。今後の成長いかんで、その差は逆転できようか。

 とはいえ、春の大舞台に向けたサバイバルはすでに始まっている。3歳馬にとってこの時期は「まだ1月」ではなく、「もう1月」と言うべき状況なのは確かだ。

「ゆっくりしていたら時間がなくなるので、何とか結果を残さないと。2着では賞金を加算できないですから、しっかり勝たないと意味がない」

 こう話す蛭田助手の口ぶりにも自然と熱がこもる。GI直行が王道ローテのひとつとなった現代競馬では、いかに“無駄打ち”を抑えて本番に臨めるかが重要。ゆえに、この若駒Sはクラシック生き残りをかけた勝負の一番となる。

「順調に使っていけば、いい馬になると思いますよ。性格的にまだ危なっかしいところはあるけど、この中間はそこまで出していない。少しずつ大人になっているので、そのあたりにも期待して」

 2021年8月に9歳という若さで早逝したドゥラメンテ。その血の価値をさらに高めるためにも、父譲りの非凡な走りで自身の道を切り開いてもらいたい。

(西谷哲生)

東京スポーツ

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