亡き母の父に吉報を届けるか。
東海S(4歳上、GII、中京ダ1800m)で重賞初制覇を狙う
サンライズウルス(牡5、栗東・
安田翔伍厩舎)。勝てば、12年に14歳で早世した母の
父チチカステナンゴの血を引く馬として、初めての
JRA重賞ウイナーとなる。
チチカステナンゴは現役時代にリュパン賞とパリ大賞を制したフランスの名馬。種牡馬としても成功し、母国での繋養時には
ヴィジョンデタ、サオノワと2頭のダービー馬を送り出したが、09年に日本に輸入されて以降は苦戦を強いられた。
JRAでは3世代、237頭が走ったものの、平地のオープン勝ち馬ですら
ケツァルテナンゴと
ピークトラムの2頭のみ。重賞では14年
京成杯の
キングズオブザサン、16年
中京記念の
ピークトラム、19年
小倉サマージャンプの
アグリッパーバイオがマークした2着が最高着順だった。
しかしながら、ここに来て「母の
父チチカステナンゴ」が存在感を発揮しつつある。重賞で2着2回の
ヒュミドール、準オープンで好勝負を続けている
トウセツや
ソウルトレインなど、タレントが豊富なのだ。もちろん、中でもエース格は
サンライズウルス。過去2回の重賞チャレンジは、一昨年の
ユニコーンSが6着、昨年の
プロキオンSが11着と涙を飲んだが、本格化を遂げた今なら違うはず。“三度目の正直”で初タイトルを掴み取り、さらに上のステージへと向かいたい。