関東圏は東京から中山に開催が替わるのに対し、関西圏は10週におよぶ
ロングラン阪神開催真っただ中の3週目。そんな中、リステッド・
すみれS(25日=芝内2200メートル)が行われる。
登録がわずか6頭にとどまったのは
皐月賞、
日本ダービーのいずれの舞台でもない弱みからか。とはいえ、美浦担当の記者としては単独で西下する
アヴニールドブリエに注目しないわけにはいくまい。
目下、未勝利戦→1勝クラスを連勝中だが、管理する宮田調教師は前走を苦笑いを浮かべつつ、こう振り返る。
「ジョッキー(バシュロ)には“切れるタイプではないので後ろでジッとしている競馬はしてほしくない。徐々に押し上げて行ってくれていいよ”って話してはいたにせよ…。少し強引な競馬になってしまいましたね」
前半は後方に位置しながら、3角手前から一気にスパートして、4角では早くも先行集団の外に。要は“徐々に”という表現とはかなりズレが生じる競馬になってしまったわけだが…。
「それでも勝ち切ったあたりに改めて心肺機能の高さを感じました。ジョッキーも言っていたし、自分の感触としても“もっと距離があったほうが良さそう”。
弥生賞と両にらみで次走を検討してきましたが、現状では中山の2000メートルで一線級を相手に上手な競馬をするのは難しい。そのあたりも考慮して、さらに距離を延ばした
すみれSを選択しました」
宮田厩舎といえば、やはり阪神開催の
毎日杯に一昨年は
グレートマジシャン(2着)、昨年は
ドゥラドーレス(3着)を遠征させるプランを選択。長距離輸送を伴う西下を高いハードルとはとらえていない。要は現状でより高い適性、高い勝算があるレースを純粋に選択するというわけだ。
「賞金加算をしないとクラシック路線には乗っていけない。ここでの競馬が大事になりますね。馬体重は変わりないですが、前回よりも見栄えが良くなって迫力が出てきました。腹回り、腰回りの筋肉の張りがいいんですよね。
追い切りでも促し始めは加速に時間がかかるタイプだったんですが、集中力が増してきて、以前に比べてメンタルのムラも減ってきている。馬は確実にいいほうに向かっているので楽しみにしています」
宮田厩舎の3年連続となる“西下チャレンジ”は、これまで以上に大きな実りをもたらす予感に駆られている。
(立川敬太)
東京スポーツ