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【弥生賞予想】期待値に明白な差!? 格式はいまだ健在も「伝統的な傾向」に波乱の可能性

  • 2023年03月04日(土) 08時05分
 過去には“王道路線”と言われていた弥生賞。2歳の年末時点で世代最強と目される馬はこのレースから始動し、皐月賞を経てダービーに向かうべきだと、競馬ファンはもちろん、多くの競馬関係者もそう考えていたはずです。弥生賞の1番人気馬から、クラシック戦線の中心を担う王者としてのプライドが垣間見えていた時代の話です。

 しかしながら調教技術の進歩により“レースを使いながらの調整”、“本番前のひと叩き”といった概念が薄れてきた近年、トライアルを使わずに皐月賞やダービーに直行するトップホースが増えてきたことは覆い隠せぬ事実でしょう。“弥生賞勝ち馬”の皐月賞制覇や“弥生賞1番人気馬”の皐月賞制覇はもちろん、“弥生賞に出走した馬”の皐月賞制覇でさえも、2010年のヴィクトワールピサ以来12年間途絶えている状態です。

 ただ、そういった出走馬レベルの低下が懸念されたのも束の間、ここ2年はタイトルホルダーシュネルマイスターアスクビクターモアドウデュースといった“のちのGI馬”を輩出。“土曜2重賞”に対しての“日曜1重賞”はGIにも匹敵する取り扱いであり、そんなGIIはほかにひとつたりとも存在しません。弥生賞の格式はいまだ健在なのです。

 そういった格調の高さからハイレベルなレースだと思われていた弥生賞なのですが、実は20年以上前の昔から、レース自体のレベルはそんなに高いものではありませんでした。同コース重賞、(GIになる以前の)ホープフルS京成杯と同等、もしくは若干劣ると言ってしまっても良いかもしれません。

 少頭数のトライアル、本番に向けて疲労を残したくないという心理も働くためでしょう。非常にユッタリとしたペースから、上がりも大して速くはない、直線でもギリギリのシビアな仕掛けは控えるようなレースが多く見られていました。つまり弥生賞は伝統的に先行馬有利の傾向、いやそれよりも差し馬不利の傾向と言うべきでしょうか。

弥生賞出走馬の前走位置取り別成績
前走4角4番手以内 115戦【12-11- 9-83】勝率10% 単回収97% 複回収87%
前走4角5番手以下 133戦【10-11-13-99】勝率 8% 単回収42% 複回収62%
JRAのみ。2001年〜2022年

 元来、弥生賞はGI級であってほしいという期待から“末脚で勝負する馬”に人気が集まる傾向にあり、それがゆえに期待値的には明白な差が出ています。前走4角5番手以下のグループは、2013年に単勝19.8倍で勝利したカミノタサハラ(前走4角7番手)を擁しても、それでもトータルで41%の低回収率なのです。

 今年の弥生賞登録馬で“前走の4角位置”が5番手以下だったのはアームブランシュグランヴィノスタスティエーラの3頭だけなのですが、3頭のうち2頭がかなりの人気を集めそうな馬である辺り(※グランヴィノスは出走予定を回避しました。)、これは今年も意識しておくべきデータでしょう。

 闇雲にデータだけを見るのではなく、まずは仮説を立て、そこから裏付けとしてのデータ・リサーチ。ウマい馬券では、ここから更に踏み込んで弥生賞を解析していきます。印の列挙ではなく『着眼点の提案』と『面倒な集計の代行』を職責と掲げる、岡村信将の最終結論にぜひご注目ください。

(文・岡村信将)

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