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【桜花賞プレイバック1】初星から35日、異例の火曜追いで実らせた戴冠 06年・キストゥヘヴン

デイリースポーツ
  • 2023年04月04日(火) 06時00分
 「桜花賞・G1」(9日、阪神)

 日本の世界一奪還で幕を閉じたWBC。当コーナーでは過去のWBCイヤーにおける桜のヒロインをピックアップし、これまでの歴史を振り返る。第1回は06年覇者キストゥヘヴンだ。

 デビューから3戦勝ちあぐね、初勝利は3月5日だったキストゥヘヴン。そこから中1週で制したフラワーCが戸田師にとっての重賞初勝利となった。“さあ桜花賞”と喜びに浸るなか、初陣Vに導いた安藤勝己騎手のエージェント(騎乗依頼仲介者)から連絡があったという。

 「初めて乗った時から評価がすごく高くて。『乗り馬が決まっていないから、その時はぜひ』と言われていたのです。アンカツさんも笠松時代に悔しい思いをしたレース、桜花賞には何とか勝ちたい気持ちがあったのだと」。初勝利からわずか35日目で桜の舞台へ向かうことになった。

 押せ押せのローテだったが、ここで陣営が取った策は異例の火曜追い。「中2週で体もない馬なので、どうしても金曜に輸送をしたかった。競馬前に少しでもカイバを食べさせたくて」。土曜朝は師が自らまたがってスクーリングを行い、決戦へ向かった。

 レースはアサヒライジングが後続を引っ張る流れ。後方で脚をためると、直線は大外を回って末脚比べに。馬場の真ん中を通って伸びる1番人気アドマイヤキッスを目掛けて追い上げ、残り50メートルで抜け出すとアンカツの右手が上がった。6番人気での勝利だった。

 キストゥヘヴン-アドマイヤキッスの“キス馬券”。戸田師は直線の攻防を振り返り、こんな余談を語ってくれた。「興奮して『キス!キス!』と叫んでいたら、アドマイヤキッスを管理する松田博資先生の奥様が『ウチの馬を応援してくれていると思っていました』って(苦笑)」。

提供:デイリースポーツ

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