グリューネグリーンの相沢厩舎は、今年で5年連続五大競走に管理馬を送り出します。22年は
ライラック(
桜花賞、
オークス)、21年は
スライリー(
オークス)、20年には
ブラックホールと
ビターエンダーがクラシック3冠を皆勤、19年には
エメラルファイトが厩舎所属の石川騎手とともにダービーに挑みました。
ラインアップを見てお分かりの通り、社台系はゼロなんです。相沢調教師は「すごいね」と目を細め、「吉澤ステーブルとの連携がうまくいっているのかな。もう25年以上の付き合いになるんだ。いい血統に当たったというのも大きいね。なかなか走る繁殖は出ないから。馬主さんとの付き合いも古い。ずっとその血統を買ってくれていて、ありがたいよ」と笑顔を見せていました。
相沢師といえば温厚で知られるトレーナー。いつ取材に行っても優しく迎えてくれます。この人柄が人とのつながりを生み、今回の五大競走5年連続出走にもつながっているのでしょう。
今週の
皐月賞(16日、中山芝内2000メートル)
グリューネグリーンも厩舎ゆかりの血統。「(厩舎初のGI制覇=99年
オークス=となった)
ウメノファイバーの子孫。生まれ変わりかと思うくらい
ヴェルデグリーンに似ていたんだ」。半兄
ヴェルデグリーンは重賞2勝の後、6歳だった14年夏にがんを患い、この世を去りました。その兄によく似た
グリューネグリーンは、師の期待通りに昨年のGIII
京都2歳Sを制し、GIの大舞台へ。「気合が入っていて、うるさいくらい。具合はいいよ」と中間も順調に調整を進めています。
今回は石川騎手との初コンビ。昨年
チャンピオンズCを
ジュンライトボルトで制し、GIジョッキーの称号を手にした愛弟子とともに
皐月賞に挑みます。「だいぶ馬のことを一緒に話し合えるようになった。意見を言い合って、本当の親子みたい。成長したよね」と笑みを浮かべると同時に「ビシビシ指示を出します! 」とちゃめっ気たっぷりに言った同師。
ウメノファイバーの孫に弟子が乗ってGIを勝つ。今週末は、そんなドラマが待っているかもしれません。
(美浦の劇的決着待望女子・三嶋まりえ)
東京スポーツ