大波乱となった07年
皐月賞の雪辱を期すのが
メタルスピードを送り出す
斎藤誠師(52)。当時、15番人気で2着に激走した
サンツェッペリン以上の走りを期待している。
リバティアイランドが突き抜けた
桜花賞から一転、混戦模様の
皐月賞。高配を予感する馬券ファンと同じように、各馬陣営からも色気が漂っている。
メタルスピードを送り出す
斎藤誠師もその一人。重ねるのは3連単162万3250円で決着した16年前の
皐月賞だ。師は「あの年もこれといった主役がいなくて牡馬は混戦ムードでしたよね。結局、その後のダービーを勝ったのは(牝馬の)
ウオッカだった」
その07年
皐月賞で15番人気2着に激走したのが、
サンツェッペリン。出走するだけでも名誉な大舞台に、まだ開業2年目だった
斎藤誠師が送り出した期待馬だった。レースは果敢に2番手を進み、勝ち馬
ヴィクトリーとはわずか鼻差の大健闘。師は「私は競馬サークルに血縁者がいませんでした。そんな自分の名前を
サンツェッペリンが売ってくれた。あの馬に助けられたんです」と当時を振り返る。
そんな自厩舎の功労馬とイメージがかぶるのが
メタルスピード。「レース前の雰囲気も含めて、なんとなく重なりますよね」と師。デビュー9戦目の
皐月賞で激走した
サンツェッペリン同様、ここまでの7戦を走るたびに強くなってきた。重賞初挑戦の前走・
スプリングSで3着に食らいつき、大舞台への切符を手に。師は「前走後はいつもより疲れがあったけど、しっかりと上昇して状態は前走以上。距離も2000メートルまでは大丈夫だと思う」と大きな期待を寄せる。
メタルスピードの母は、同厩舎で期待されつつ未勝利で終わった
マイビビアーヌ。「個人的にはお母さんの分までという思いもある。いろいろな思い出を大切にしながら
メタルスピードと挑戦したい」。
ヌーヴォレコルトで14年
オークスを制した師だが、牡馬クラシックはまだ無冠。「私の自信作」と称する愛馬と、いざ大一番へ。
スポニチ