22日に2年半ぶりに
リニューアルオープンした京都競馬場。ここでは開幕週の芝のレースを振り返って傾向を探り、
天皇賞(春)(4歳上・GI・芝3200m)を占いたい。
芝で注目したいのは、枠順による有利不利がハッキリとしていたことだ。外回りの9鞍の枠順別成績は以下の通り(左から枠、成績、勝率、複勝率)。
・1〜2枠[0-1-1-21]0%、9%
・3〜4枠[1-2-1-23]4%、15%
・5〜6枠[5-2-2-22]16%、29%
・7〜8枠[3-4-5-26]8%、32%
一目瞭然、外枠の好成績が目立つ。とりわけ
マイラーズCの
シュネルマイスターのように、外からの差しがよく決まっていた。これは以前の京都開幕週ではあまり見られなかったシーン。
僅か1週を終えた段階なので断定はできないが、その主因は4角のカーブが緩やかになったことかも。カーブが緩やかになる→馬群が内外に広がりにくい→内で運んだ馬は詰まりやすく、外で運んだ馬は距離ロスが少なくなる、という
ロジックである。
血統面では改修前と同様、芝外回りの
ステイゴールド系に注意したい。20年以前、京都芝外回りで
オルフェーヴル産駒は[15-12-16-96]の勝率11%、複勝率31%、
ゴールドシップ産駒は[2-4-2-16]の同8%、33%という
ハイアベレージを残していた。
そして迎えた先週、京都芝で
オルフェーヴル産駒は
ゲヴィナーと
サジェス、
ゴールドシップ産駒は
ゴールデンスナップが勝利。相変わらずの京都適性を垣間見せた。直線勝負では
ディープインパクト系に切れ負けする反面、坂の下りで勢いをつけての“上がり4F勝負”に強いのが
ステイゴールド系の特徴。今週以降も外回りでは
ステイゴールド系に注意したい。
そこで
天皇賞(春)の登録馬をチェックすると、
ステイゴールド系が大挙エントリーしている。
ステイゴールド産駒の
アフリカンゴールド、
オルフェーヴル産駒の
アイアンバローズ、
シルヴァーソニック、
ヒュミドール、
メロディーレーンの5頭だ。
この中で最右翼は
オルフェーヴル産駒の
シルヴァーソニック。
ステイヤーズS、レッド
シーターフハンデキャップを連勝している生粋のステイヤー。血統を抜きにしても無視できない存在だろう。
もう1頭、大穴で期待したいのは
ヒュミドール。前走の
ダイヤモンドSではメンバー中2位の上がり3F35.7をマークしてクビ差の2着。長距離での末脚比べに高い適性を示した。実績では大きく見劣るものの、そこは血統由来のコース適性、そして鞍上・
武豊騎手の手腕でカバー。大波乱の主役となっても決して驚けない。