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【オークス】牝馬の達人・小島茂之師とキャリア上昇・杉原誠人がキタウイングの可能性を大いに語る/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2023年05月17日(水) 18時01分
 早いもので週末のオークス(21日=東京芝2400メートル)、次週の日本ダービーで「POG」を冠する当コラムは一つのサイクルを終え、また新たな世代へとバトンタッチされることになる。一区切りへのラス前、その栄えある? 主役に指名したのがキタウイングである。

 この伏兵に関わるホースマンたちを侮るなかれ――。手綱を取る杉原誠人は、同じミルファームの勝負服で昨夏のアイビスSD(ビリーバー)、そしてキタウイングとのコンビで今年1月のフェアリーSを制するなど、騎手としてのキャリアをワンランク上げた。一方、管理する小島茂之調教師といえば、手中にしたGI2勝がいずれも牝馬限定戦(2008年秋華賞ブラックエンブレム、09年エリザベス女王杯クィーンスプマンテ)という「牝馬の達人」である。この2人にキタウイングの可能性について大いに語っていただいた。

 まずは1週前追い切り(南ウッド6ハロン83.4-12.1秒)を終えた杉原を直撃すると…。

「1週前としては落ち着いていたし、余裕のある感じで動けていました。折り合いがついてリラックスしている一方で、最後にはギアを上げられて、後ろから(併せ馬の相手が)来ても、しっかり反応してくれました」

 過去最大のレース間隔は阪神JF(14着)時の3か月半。デビューからコンスタントに使われ、早くも8戦目を迎える相棒に…。

「前回(桜花賞12着)も悪くはなかったんですけど、今回もいいデキ。ずっと傷みもなく、順調にきているのはすごいことですよね。新潟で(未勝利戦→新潟2歳S連勝と)結果が出ているように左回りは走りやすいんだと思います。距離は他の馬も含めて正直、走ってみないと分からないけど、折り合いに苦労する馬ではないのは確か。それにこれまでの経験値は大きいはずですから」

 杉原といえば、ヴィクトリアMに1番人気の支持を集めて出走したスターズオンアースの1週前追いに騎乗したほか、かつて藤沢和厩舎の所属騎手としてグランアレグリアなど数々のスターホースの調教にも関わってきた。ホースマンとしての奥深さ、引き出しの多さが、今回は自身を主役に押し上げる気がしてならない。

 一方、ここ一番の牝馬の仕上げに定評のある小島調教師はというと…。

「ほとんどの厩舎は“オークスだから”と張り切って出走させると思いますが、ウチはとにかく体調を崩さないで使いたいだけ。ジョッキーも動きには満足していますし、順調なのが何よりです」

 肩ひじ張らない発言が逆に不気味さを漂わせている。

「1600メートルの馬だと思っていたし、当初はNHKマイルCを目標にするつもりだったんです。それが五大競走登録の最後になったころに、2000メートル以上でも持ちそうだなと。馬場(NHKマイルC=稍重で施行)を考えても正解でしたね。この距離なら下手に頑張る必要はない。(出走馬の)半分くらいは(スタミナが切れて)勝手にいなくなってくれる。道中はジーッとして、残り200メートル、最後の坂で頑張れるかどうかでしょう」

 身近で関わる両者の思いを背に、キタウイングにとってのオークスは到着地となるのか、それとも新たな出発地となるのか。その走りを興味深く見守りたい。

(立川敬太)

東京スポーツ

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