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【10年オークスプレイバック】10分超える緊迫の写真判定 待ち受けていた結末は…

  • 2023年05月19日(金) 17時30分
 世代の最強牝馬を決する一戦オークス(3歳牝・GI・芝2400m)。幾多の名勝負やドラマが生まれてきたが、2010年の同競走は競馬史に残る結末となった。

 主役となったのはアパパネサンテミリオンの2頭。アパパネ父キングカメハメハ母ソルティビッド、母の父Salt Lakeという血統で、後に史上3頭目の牝馬三冠を達成した。

 一方のサンテミリオン父ゼンノロブロイ母モテック、母の父ラストタイクーンという血統。年明け1月と遅めのデビューながら、フローラSで重賞初制覇を飾って駒を進めてきていた。

■掲示板に灯った「>同着」の文字

 一冠目を制したアパパネが1番人気に支持されたが、母が短距離馬ということもあり距離不安がささやかれ、単勝3.8倍と前走よりも支持を落としていた。人気上位は桜花賞組が占め、サンテミリオンは5番人気の8.5倍。道悪の馬場もあいまって混戦模様となっていた。

 15時40分、雨で薄暗くなった中でレースはスタート。ニーマルオトメが飛び出していき、離れた2番手にアグネスワルツが付ける形に。中団の8番手付近にサンテミリオンは構え、アパパネはそれを見る位置で追走。逃げ馬は快調に飛ばしたが、バラけた馬群で1000mは60.6とほぼ平均ペースとなる。

 直線に入るとアグネスワルツが一旦抜け出すが、アパパネサンテミリオンが素晴らしい伸び脚で一気に抜け出し、残り200mからは2頭の一騎打ち。「アパパネ サンテミリオン アパパネ サンテミリオン!」抜きつ抜かれつの争いはゴールまで続いた。最後は首の上げ下げ。スローで見ても分からないぐらい「全く並んでゴールイン!」。結果は写真判定となった。

 入線から10分以上を要した緊迫の写真判定。掲示板に「>同着」の文字が灯ると、競馬場のそこかしこから「えーっ!」「おおおお!」と様々驚きの声が挙がった。アパパネはその後に牝馬三冠を達成し、サンテミリオンにとっては生涯唯一のGI勝利。1cmでもどちらかが先着していれば、運命・歴史は大きく変わっていたはず。

 2頭の熾烈な叩き合いに沸いた10年のオークスは、JRAのGI史上初の1位同着という、予想だにしない結果で幕を閉じた。

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