「
日本ダービー・G1」(28日、東京)
3戦無敗の
皐月賞馬
ソールオリエンスを管理するのは手塚師。過去に
フィエールマンなど、数々のG1馬を手掛けてきた自身にとっては、クラシック完全制覇が懸かる大一番だ。指揮官の今の胸の内に迫った。以下、一問一答。
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皐月賞は後方からすごい末脚だった。
「3角での位置取りがかなり後ろだったので駄目だと思いました。ただ、直線に入ってからからがすごかった。脚色が他の馬とは全然違っていたので。でも、まさか勝つまでとは」
-ポテンシャルの高さを見せた。
「これまでの3戦は全体時計が遅いけど、最後の1Fで速いラップを刻んでいます。それを考えると、能力的にまだ限界までいってないのかな、奥があるのかなと思うところはありますね」
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京成杯と
皐月賞では4角を逆手前で走り、外に膨れる場面も。今回は東京に舞台が変わる。
「中山だと仕掛けながら4角を回らなければならないけど、東京は中山よりコーナーをゆったり回れますからね。馬任せに走れば大丈夫かなと」
-2400メートルに関しては。
「血統的に距離は持つし、
皐月賞が終わった後でも息はそこまで乱れていなかったですから。スタミナはあると思います」
-不安点はあるか。
「キャリアが浅くて経験がない。高速馬場になって前が残るような展開になると、ラスト3Fで32秒台の脚を使っても届かない可能性はあります。その不安はあるけど、最後方からしか競馬ができない馬ではなく、二四なら二四の乗り方がありますからね。そこは(横山)武史君が考えてくれるでしょう。私が思っている以上に強いのなら、それでも差してくると思いますよ。
ナリタブライアンみたいにね」
-指揮官はダービーを勝てばクラシック完全制覇。84年の
グレード制導入後では初の快挙となる。
「達成することができれば名誉なことです」
-ダービーは12年
アルフレード(13着)、17年
マイネルスフェーン(16着)、20年
ワーケア(8着)に続いて4回目の挑戦。
「初めて
皐月賞から王道を歩んでのダービー参戦。これまでとはいろいろな意味で違いますね」
-思い出のダービー馬は。
「
シンボリルドルフです。ダービーを観戦するために東京競馬場へ行きました」
-最後に、手塚師にとってダービーとは。
「最高のレースですし、勝ちたいレース。その気持ちは強いけど、実際に人気馬を出走させることになると、いつものG1と同じ感じで行こうかなという気持ちにもなりますね。自分の中で盛り上がっているけど、変わらず冷静に」
〈1週前診断〉横山武を背に美浦Wで6F80秒8-37秒5-11秒1(直強)。
追走して内に潜ったが、脚力の違いであっさりと前へ。力感あふれるフットワークであっさりと突き放すと、ゴール前もうなるような走り。馬体もパンパンに張っており、態勢に隙はない。
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手塚貴久(てづか・たかひさ)1964年9月20日生まれ、58歳。栃木県出身。慶大を卒業後、89年5月にJRA競馬学校厩務員課程に入り、同年10月から美浦・相川勝俊厩舎で厩務員に。98年に調教師免許を取得。翌年3月に美浦で開業した。JRA通算628勝で、同重賞は37勝(うちG19勝)。日本調教師会会長。
提供:デイリースポーツ