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【97年宝塚記念プレイバック】苦難と挫折の先に待ち受けていた栄光 マーベラスサンデーのGI初制覇

  • 2023年06月24日(土) 17時30分
 6月25日(日)に阪神競馬場で行われる宝塚記念(3歳上・GI・芝2200m)。今回は過去の名勝負、名馬の中から97年覇者マーベラスサンデーのことを振り返ってみたい。

 マーベラスサンデー父サンデーサイレンス母モミジダンサー、母の父ヴァイスリーガルという血統。叔母に86年のクイーンS覇者にして同年のエリザベス女王杯で3着に入ったモミジシルキーがいる。

 本馬の現役時代は怪我、そして挫折の繰り返しだった。初陣は95年2月、京都競馬場で行われたダ1800m戦。評判通り1.3/4馬身差で快勝し、続くゆきやなぎ賞も距離延長と初の芝を克服して連勝する。だが、ここで骨折が判明。クラシックを棒に振ってしまう。

 1年後の復帰戦こそ4着に敗れたが、96年5月の鴨川特別から快進撃はスタート。準OPの桶狭間Sもあっさり勝利してOP入りを果たすと、続くエプソムCで重賞初制覇を果たす。さらに、同年秋の京都大賞典まで重賞4連勝。一気に期待の一頭へと上り詰める。

 ところが、その先に待っていたのは挫折だった。天皇賞(秋)4着、有馬記念2着。GII大阪杯は快勝したが、天皇賞(春)では3着に敗れた。GII、GIIIなら力が違うが、GIではあと一歩足りない……。一つ上のサクラローレル、同世代のマヤノトップガンや後輩のバブルガムフェローの後塵を拝し、GIの頂に届かずいた。そんな折、挑んだのが97年の宝塚記念だ。

■負けられない戦い

 前走の天皇賞(春)で先着許した2頭が不在とあって1番人気。4度目のGI、重賞5勝の実績と、何をとっても負けられない一戦だった。12頭立てで人気は上位3頭に集中。安田記念タイキブリザードと、前年に天皇賞(秋)を制したバブルガムフェローと合わせ三つ巴の様相だった。

 レースは、3強がそれぞれのポジションに収まり、持ち味を生かす展開に。タイキブリザードが2番手、バブルガムフェローが中団の内目、マーベラスサンデーは後方から3番手で追い込みにかける。

 1000m通過は58.2とハイペース。タイキブリザードが押し出されるように3角手前で先頭に立ち、バブルガムフェローも差を詰めにかかる。速いペースは追い込み一手のマーベラスサンデーにおあつらえ向きの展開。ついにチャンスが巡ってきたか、馬群を縫うように差を詰めていく。

 しかし、直線でマーベラスサンデーの前に道はなかった。バブルとタイキ、そして外からきたダンスパートナーに行く手阻まれ前が壁。阪神内回りの直線は短い。万事休すか――。だが、残り200mで外がひらくと、デビューから一貫して鞍上を務めた武豊騎手がしゃにむに追って一気に差を詰める。「バブルか! マーベラスか!」最後は2頭になった叩き合いをわずかに制したマーベラスサンデー。度重なる故障、そして悔し涙の先につかんだ栄光だった。

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