◆第71回
中京記念・G3(7月23日、中京・芝1600メートル=良)
サマーマイルシリーズ第2戦、第71回
中京記念は23日、4年ぶりに中京競馬場で争われ、8番人気の
セルバーグ(松山)がまんまと逃げ切り、重賞初制覇を飾った。2番人気
ディヴィーナ、1番人気
ルージュスティリアの人気牝馬2頭は追い上げ及ばず2、3着に敗れた。
8番人気での会心の逃げ切りに、ゴールで右手を高く挙げた。松山はスタート後すぐに
セルバーグの手綱を押し、先手を主張。2ハロン目から11秒台前半のラップを刻み、緩みのないペースに持ち込んだのが勝因だ。最終週の荒れた馬場で、他馬が4角の勝負所で苦しくなっても、まだ持ったままだった。直線でも脚いろは鈍らず、後続の差し脚を見事に封じた。
「馬場も結構悪かったので、持続力のある
セルバーグには向いていました」と鞍上は思い描いた通りの競馬に笑顔。前走の
米子Sでは2番人気で12着。今回は勝った3走前以来の、逃げの戦法に戻して大きな変わり身を見せた。「前走では結果を出せなかった。引き続き、依頼をいただけたことに感謝ですね」。松山は陣営の思いに、最高の結果で応えてみせた。
3回中京では13勝を挙げ、11勝の岩田望、10勝の川田らを抑え、見事に開催リーディングを獲得した松山。ここ3年は他場で行われていた
中京記念だが、前回最後に中京で開催された19年に
グルーヴィットで制しており、“5年越しの変則連覇”を達成した形だ。
20年の
きさらぎ賞以来の重賞2勝目を手にした鈴木孝調教師は地元・愛知県の出身。うれしい勝利に「プラン通りに運べました。スパッとは切れないけど、(マイルで)1分32秒台の持ち時計もある馬だから」と喜びをかみしめるように話した。
2戦を終えたサマーマイルシリーズのポイントランキングで、トップに立った
セルバーグ。次走は第3戦の
関屋記念(8月13日、新潟)を視野に入れる。「これからもやってくれる馬だと思う」と松山は今後に期待を込めた。ラ
イバルとのせめぎ合いはまだまだ続くが、熱い夏を盛り上げる存在になったのは間違いない。(山下 優)
◆
セルバーグ 父
エピファネイア、
母エナチャン(父
キンシャサノキセキ)。栗東・
鈴木孝志厩舎所属の牡4歳。北海道新ひだか町・前谷武志氏の生産。通算14戦5勝。総獲得賞金は9780万4000円。重賞初勝利。馬主は桑畑夏美氏。
スポーツ報知