「アイビスSD・G3」(30日、新潟)
「すごく思い入れがあり、自分を成長させてくれた馬です」-。
今村聖奈騎手(19)=栗東・寺島=がそう語るのは、今回コンビを組む自厩舎の
メディーヴァル。そんな相棒と臨む重賞舞台。実に感慨深いものがある。
競馬学校生時代の栗東トレセン。厩舎実習で最初に騎乗した2歳馬が
メディーヴァルで、調教を任された。「背中のいい馬で能力を感じていたけど、テンションが高くて力んでしまう部分がありました。どのようにしたらこの馬は良くなるのか。自分の少ない引き出しの中で考え、試行錯誤しました」。未熟な自分に何が足りないのか…それを、この馬から教わった。
その後、
メディーヴァルは未勝利戦をV。「勝ってくれた時は、すごくうれしかったです」と笑顔で語る。決してスンナリとはいかなかったが着実に階段を上がり、今春には今回と同舞台で行われた韋駄天Sを、格上挑戦で制した。「競馬での騎乗機会はなかったけど、スポットで調教に乗ることはありました。若い頃を知っているからこそ、古馬の風格が出ていると感じています」と成長を実感する。
出合いから3年が経過。そして今回、満を持しての初タッグとなる。「依頼をしてくださったオーナーさんをはじめ、寺島先生には感謝したいです」。自分と、そして
メディーヴァルの成長した姿を見てもらいたい-。そんな熱い気持ちを胸に抱き、越後の直線勝負に挑む。
提供:デイリースポーツ