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屈辱味わった武豊の「聖地」 名馬との絆に救われて今なお第一線で活躍

スポニチ
  • 2023年08月18日(金) 11時55分
 JRAで史上最多勝を更新し続ける武豊騎手(54)が、16日深夜放送のABCテレビ「小籔千豊&山里亮太の俺の聖地巡礼」に出演した。

 「一番、苦しい時だったと思うんですけどね、その時に救われたというか、勇気づけられた場所」と言う武豊の姿は、北海道の社台スタリオンステーション(SS)にあった。

 自身が騎乗してクラシック無敗3冠を達成するなど、日本競馬界に偉大な足跡を刻んだディープインパクトも種牡馬生活を送った場所。ディープの放牧地で「よく見に来ました。ここにいたなと思い出しますね。あんなに大きなインパクトを感じる馬はいなかったし、大きな出合いだった。騎手人生の中で宝物」と思いをはせた。

 ディープは19年7月にこの世を去った。天国へ旅立った日、武豊は北海道から関西への飛行機に搭乗する直前に一報を受けた。飛行機をキャンセルし、社台SSに急行。番組内でディープが過ごした馬房も訪れ「ここを見た時に胸が痛かった。ショックだったし、よく覚えている光景ですね」と振り返った。

 そして、武豊が歩を進めた先に1頭の馬がいた。13年、自身の手綱で日本ダービーを制したキズナ。ディープの子供だ。「今の僕があるのはキズナのおかげ。そういうことで、ここが僕の聖地です」。武豊の聖地は「キズナの背中」だった。

 10年に落馬事故で大きな怪我を負った武豊。成績は下降し、12年はデビュー以来最低の年間56勝に終わった。「結果を出せなくてね。周りの期待に応えられない、本当につらい時期だった。こんなはずじゃないって感じで。自分のふがいなさで、屈辱を味わわなければいけなかった」と当時を振り返る。

 そんな中で出合ったのがキズナだった。ディープの子で、ディープ以来のダービー制覇。「ディープからの贈り物だったのかな。もし、この馬と巡り会っていなかったら、今ジョッキーをやっているか分からない。苦しい僕をディープとキズナが救ってくれた。もう一度、自分に自信とか、やる気とかもっと頑張ろうという気になれた」と言う。

 キズナのダービーから、10年が経過した。武豊は今年、G1の史上最年長勝利記録を樹立するなど、第一線での活躍を続けている。 

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