秋競馬の開幕を告げるハンデキャップレースであり、サマーマイルシリーズ創設後は、その最終戦として位置づけられている。舞台となる中山競馬場芝1600mコースは、1コーナー奥の引き込み線からスタートして、外回りコースを1周。最初のコーナーまでの距離も短く、自然とポジション争いは激しいものとなるうえに向こう正面からは緩やかな下り坂が続き、最後の直線には坂も設けられている。4月以来の開催で馬場状態は良好のはず。速い時計に対応できるスピード能力と自在性が求められるレースだ。

　◎ラインベックは東風S優勝馬で関屋記念3着馬。サマーマイルシリーズはトップとは4Pt差の暫定5位。2歳時には新馬、中京2歳Sを連勝し、東京スポーツ杯2歳Sはコントレイルから離された3着。自分からレースをやめてしまうようなところがあった馬だが昨年夏に去勢されてからは真面目に走るようになってきた。前走の内容から、ここは重賞初勝利のチャンスだ。

　〇インダストリアはダービー卿CT、ジュニアカップ含め中山マイルは3戦3勝。器用さと自在性を武器とする馬で、新馬、未勝利時代はともかくオープンでは長い直線コースよりも小回りコースの方が競馬がしやすいイメージだ。前走の敗因を距離や馬場状態だけに求めるのはどうかとも思うが、この舞台なら見直したい1頭だ。

　▲ソウルラッシュは昨年のマイラーズカップ優勝馬で、中山マイルは2戦2勝。強烈な瞬発力が持ち味でマイル戦を使われるようになってから、大きく崩れたのは安田記念の2回のみ。と言っても、勝ち馬とのタイム差は0.6秒、0.8秒なのだから大きく負けているわけでもない。少頭数ながらも逃げ、先行馬が多い組み合わせで有利に競馬ができそうだ。

　△ウイングレイテストはニューイヤーS優勝馬。ほか中山マイルコースは3勝クラス特別2着、ニュージーランドトロフィー3着と少なくとも苦手にはしていない。先行力が持ち味で前々走は休み明け、前走は位置取りがやや後ろ過ぎたか。

　△トーセンローリエはアネモネS優勝馬。桜花賞、そしてクイーンSは大外枠に泣かされたが、まだ見限れない。最後に、まだ底を見せていない△アスクコンナモンダの名前を挙げておきたい。