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【セントウルS】富田暁騎手、自厩舎・テイエムスパーダで悲願の重賞制覇 14番人気で大波乱 

スポーツ報知
  • 2023年09月11日(月) 06時20分
◆第37回セントウルS・G2(9月10日、阪神・芝1200メートル、良)

 サマースプリントシリーズ最終戦の第37回セントウルS・G2は10日、阪神競馬場で行われ、単勝112・6倍の14番人気テイエムスパーダが逃げ切る大波乱となった。同馬は1分5秒8の日本レコードで走った昨年のCBC賞以来となる重賞2勝目。スプリンターズS(10月1日・中山)の優先出走権を手にした。富田暁騎手(26)は25年2月末に定年引退予定で師匠の木原一良調教師(69)=栗東=の管理馬で、うれしい重賞初制覇となった。

 大粒の涙をぬぐいながら木原調教師が差し出した手を、テイエムスパーダから下馬した富田が力強く握った。何度も重賞の壁にはね返されてきたが、49度目の挑戦でようやく念願をかなえた。それも師匠の管理馬で。「先生もあと1年ちょっとですし、一緒に重賞を取れたのはうれしい」と笑顔がはじけた。

 初コンビを組んだ日本レコードホルダーの速力を信じた。先行有利が顕著だった阪神開幕週。スタートは五分だったが、グイグイと手綱を押してハナを主張した。「この馬の形の競馬ができれば強いと思っていた」。前半3ハロン33秒5のハイラップを刻んだが、直線を向いても脚いろは衰えない。懸命にムチで鼓舞し続け、先頭でゴール板を駆け抜け、右の拳を握った。

 「最初、あまり実感は湧かなかったが、みんなに『おめでとう』と言われてうれしさがこみ上げてきた」。この日は9Rから特別3鞍のみの騎乗だったが、すべて人気薄で3連勝。神がかった一日を最高の形で締めた。

 悔しさを糧にしてきた。今やトップジョッキーの同期・横山武の活躍も刺激に、自分の信じる道を貫いてきた。19年8月からはオーストラリア遠征へ。若き天才と称されるダミアン・レーンの自宅に“居候”し、約8か月間の武者修行で腕を磨いた。そんな決断の背中を押してくれたのも木原調教師だった。「先生はいつも味方でいてくれた。感謝しても、しきれない恩がある。ちょっと返せたかな」とうなずいた。

 そして、師匠にとってはJRA重賞10勝目。「節目の10勝目を弟子で勝てるなんて夢のようだ」と笑みを浮かべた。この後は放牧を予定していたため、G1参戦に関しては未定。だが、“師弟の絆”でつかんだ忘れられない重賞勝利は刻まれた。夢にはまだ続きがある。(戸田 和彦)

 ◆富田 暁(とみた・あかつき)1996年12月11日、茨城県生まれ。26歳。栗東・木原一良厩舎所属。17年3月にデビューし、同年4月22日の京都4Rでユキノタイガで初勝利。JRA通算は3326騎乗で169勝。

 ◆テイエムスパーダ 父レッドスパーダ母トシザコジーン(父アドマイヤコジーン)。栗東・木原一良厩舎所属の牝4歳。北海道浦河町・浦河小林牧場の生産。通算15戦5勝。総獲得賞金は1億4111万1000円。重賞2勝目。主な勝ち鞍は22年CBC賞・G3。馬主は竹園正継氏。

スポーツ報知

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