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7年目の富田 重賞初制覇を呼んだ師匠の“教え”

スポニチ
  • 2023年09月15日(金) 05時00分
 【競馬人生劇場・平松さとし】先週のセントウルS(G2)をテイエムスパーダが優勝。手綱を取ったのは富田暁騎手。17年デビューの彼にとってこれが初めての重賞制覇だった。

 この12月には27回目の誕生日を迎える。つまり、騎手デビューした時、彼はすでに20歳だった。ジョッキーを目指す少年少女の多くは、中学卒業時に競馬学校を受験する。しかし、富田少年は当時「将来はサッカー選手か騎手か迷っていました」。結果「迷っているようでは受けても駄目だろう」と高校へ進学。しかし、高校生になって改めて“自分の騎手への思いの強さ”に気付かされる。そこで競馬学校を受験するも不合格。それでも諦め切れず、高校2年で再度、受験。ついに難関を突破したのだ。

 そんな“強い思い”でやっと騎手になった彼とゆっくり話す機会があったのは今から4年前の19年。場所はオーストラリアだった。単身遠征し、生活の拠点としていたメルボルン市内から車を飛ばすこと3時間以上。海岸近くにあるワーナンブールという競馬場で騎乗した彼は見事にこれを勝利。市内に戻った後、じっくり話を聞くと言った。

 「異国のこんな遠いところまで来て、勝てる馬に乗せてもらえたのも、師匠の言葉のおかげです」

 “師匠”とは、富田騎手がデビュー時から所属している木原一良調教師のこと。その師匠に言われた言葉を、「忘れたことはない」と言い、続けた。

 「“競馬に乗れるのは決して自分一人の力ではありません。たくさんの人たちのおかげで乗せてもらえていることを自覚して、感謝の気持ちを忘れないようにしなさい”と言われました」

 以来、どれだけ月日が過ぎても、国境をまたいでも、その気持ちを忘れないように心がけた。その結果、赤道を越えたオーストラリアでも「乗せてもらえ、勝たせてもらえた」と言う。

 今後もそういう気持ちを忘れない限り、さらなる活躍が期待できるだろう。ちなみに重賞初制覇となったテイエムスパーダは、師匠である木原調教師が管理する馬だった。 (フリーライター)

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