3枚の
菊花賞切符を懸けた「第71回
神戸新聞杯」が24日、阪神競馬場で行われ、3番人気
サトノグランツが直線の追い比べを制し、5月
京都新聞杯以来の重賞2勝目。祖
父ディープインパクト、父
サトノダイヤモンドに続き、レース史上初の父子3代制覇を達成した。
激闘のゴール前。
サトノグランツがグイッと抜け出す。父
サトノダイヤモンドをほうふつさせる抜群の切れ味。先行勢をきっちり捉えた。5着まで0秒1差の大接戦。白熱した叩き合いを見守った友道師は「残り100メートルぐらいで諦めかけたが、最後の2完歩ぐらいで思わず声が出た」と興奮気味に振り返った。
勝ち時計の2分23秒5は17年に
シホウが記録したタイムを0秒6更新するコースレコード。勝利に導いた川田は「得意ではない全体時計や上がりの速い流れの中、勝ち切ってくれました」と愛馬を称えた。
ハナを切った
ファントムシーフが1000メートルを61秒2で通過。ゆったりとした流れを中団のインでじっくり我慢。直線、鞍上の
ゴーサインでギアが切り替わると勢い良く加速した。鞍上は「ついて行くのに必死でしたが一生懸命走り続けてよく追いついてくれました」。この日の馬体重は11着に終わった前走ダービーから2キロ増の492キロ。数字に変化はなくても鞍上は夏を越しての成長力を感じ取っていた。「一戦ごとに背中は良くなっています。夏を越してこういう勝ち方ができたので、このあとを無事に迎えることができればと思います」と先を見据えた。
血のドラマも描く勝利だった。祖
父ディープインパクト(05年)、父
サトノダイヤモンド(16年)に続き、父子3代制覇。その祖父、父はこのレースを
ステップに3冠最終戦・
菊花賞も制した。次なる舞台は2度の坂越えがある淀の3000メートル。友道師は「気性的におっとりとして、追い出してからの反応もゆっくり。3000メートルへの距離延長は問題ないと思う。この後は在厩調整で
菊花賞(10月22日、京都)へ向かいます」と話した。父の初年度産駒となる
グランツが狙うのはもちろん再度の父子3代制覇。
皐月賞馬
ソールオリエンス、ダービー馬
タスティエーラに真っ向勝負を挑む。
◇
サトノグランツ 父
サトノダイヤモンド 母チェリーコレクト(母の父
オラトリオ)20年4月3日生まれ 牡3歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・里見治氏 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績7戦4勝(重賞2勝目) 総獲得賞金1億2806万5000円 馬名の由来は冠名+輝き。
《記録
アラカルト》
☆騎手&調教師 川田の
JRA重賞制覇は
札幌記念(
プログノーシス)以来で今年11勝目、通算127勝目。友道師は
目黒記念(
ヒートオンビート)以来で今年5勝目、通算61勝目。
☆種牡馬
サトノダイヤモンド産駒の
JRA重賞制覇は同馬で制した
京都新聞杯に続く2勝目。
☆東西比較 関西馬は18年
ワグネリアンから6年連続の勝利。通算成績は関西馬67勝、関東馬4勝。
☆レコード 勝ち時計2分23秒5は17年グリーンSで
シホウが記録した2分24秒1を上回るコース記録。
スポニチ