「
スプリンターズS・G1」(1日、中山)
秋のG1開幕を告げる電撃戦を制したのは、G1初挑戦の3番人気
ママコチャだった。G1・3勝馬
ソダシの全妹が、短距離路線に転向して2戦目で新ス
プリント女王の座に就いた。好位から鮮やかに抜け出すと、内から猛追してきた6番人気の
マッドクールとの大接戦を鼻差制した。3着には1番人気の
ナムラクレアが続いた。
白毛一族の良血がついに開花した。毛色こそ鹿毛だが、“白毛のアイドル”G1・3勝馬
ソダシの全妹
ママコチャが、姉に続いてG1タイトルをつかんだ。ここまで重賞勝ちのなかった4歳牝馬が6Fの電撃戦に転じて2走目。初の重賞勝利がG1制覇となった。
3角で
ナムラクレアと
メイケイエールに挟まれ、引くに引けず。ハイペースでも前に出る格好になった。直線では猛追してきた
マッドクールと大接戦。際どい首の上げ下げを鼻差制した。初コンビで栄冠に導いた川田は「何とかしのいでくれと思いながらでした。池江先生に『連覇が懸かっている。頼むぞ』と、言われていたので、応えられてホッとしました」と振り返った。
池江師は昨年の
ジャンダルムに続く連覇。「感無量です。まさかス
プリントG1を連覇できる厩舎になるなんて、夢にも…」と目を白黒させる。ほぼ全ての入厩馬に、当初はクラシックを想定する
スタイルだけに、驚きは隠せない。
桜花賞馬
ソダシの全妹とあって、当然ながら王道路線を歩ませた。3歳春までは牝馬クラシックを目指し、3歳秋の3連勝も7Fとマイルだった。「早めに千二を使っていれば重賞も勝てていたのでしょうが、姉のこともあったので。デビュー前からお姉さんのファンが応援してくれていた。ここまで結果が出せず、ようやく重賞、G1を勝てた。恩返しできてホッとしています」。この勝利により引退が決まった姉の分まで、力走を見せていきたい。
ス
プリント適性が明らかになり、今後は短距離路線を歩むことが必定だ。指揮官は「千四は決して駄目じゃないと思います。千二だと選択肢が狭くなってしまう。とらわれず千四も。年末も」と見通しを語った。番組的には阪神C(12月23日・阪神)か、あるいは香港遠征か。戴冠と同時に視野は広がった。確信を得た自らの適性の中心で、今後も勲章を積み上げていく。
提供:デイリースポーツ