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【スプリンターズS】ママコチャ、引退決めた偉大な姉・ソダシに続いた G1初挑戦で短距離女王

スポーツ報知
  • 2023年10月02日(月) 06時10分
◆第57回スプリンターズS・G1(10月1日、中山・芝1200メートル、良)

 第57回スプリンターズSは1日、中山競馬場で開催され、3番人気のママコチャ(川田)がG1初挑戦でいきなり重賞初制覇の快挙を成し遂げた。G1・3勝を誇る白毛のアイドルホースソダシの全妹。2、3歳時に無傷で阪神JF、桜花賞を制した姉に後れを取ったものの、2着の前走・北九州記念に続く2度目の6ハロン投入で4歳秋にして才能が開花した。

 掲示板の最上部に馬番「6」がともると、かたずをのんで見守った観衆の大歓声が残暑厳しい中山を包み込んだ。ゴールは鼻差の大接戦。勝ち名乗りを上げたのは、アイドルホースの全妹ママコチャだ。G1馬3頭にスプリント重賞4勝の1番人気ナムラクレアなど並み居る強敵を、白毛一族の血を受け継ぐ鹿毛の4歳馬が撃破した。6ハロン戦は2度目。しかも初の重賞勝ちでいきなりG1制覇の離れ業だった。

 力でねじ伏せた。最初のコーナーで他馬と接触して前進気勢が強くなり、好位3番手から4角で早々と先頭に並びかける。前半3ハロン33秒3のハイペースで並の馬なら失速するところだが、持ち前のスピードの持続力を発揮し、内から伸びたマッドクールとの追い比べを制した。テン乗りで勝利に導いた川田は「やりたい競馬ではなかったですが、バランスを崩しながらもなんとかしのいでくれました。追い切りに乗って、十分にチャンスがあるなと思える背中をしていましたので、その通りの内容で勝ち切れたと思います」と安どした。

 G1・3勝の姉ソダシと比較され続けてきたが、初の6ハロン戦だった前走はデビュー時から24キロ増。4歳にして充実期に入り、素質をついに開花させた。父クロフネにも種牡馬歴代最長タイとなる19年連続の重賞勝ちをプレゼント。昨年のジャンダルムに続く連覇となった池江調教師は「感無量。まさかスプリントG1を連覇できる厩舎になれるとは思っていなかったのでうれしい」と素直に喜んだ。

 今後は未定だが、トレーナーは「1400メートルでも強い競馬をするし、選択肢が広がった」と、さらなる期待を膨らませた。「インカ神話の海の女神」と名付けられた白毛一族出身の新ヒロイン。偉大な姉に負けじと、ここからさらなる大海へとこぎだす。(松末 守司)

 ◆ママコチャ 父クロフネ母ブチコ(父キングカメハメハ)。栗東・池江泰寿厩舎の牝4歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算13戦6勝。総獲得賞金は2億8444万9000円。重賞初勝利。馬主は金子真人ホールディングス(株)。

スポーツ報知

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